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太陽に近い場所

Posted by junko on 16.2012 ペルー Peru   0 comments   0 trackback


2012年6月10日




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燦々と太陽が降り注ぐ中、
私達はマチュピチュ山を登り始めた。




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30分も登らないうちに、もう遺跡があんな遠くに。





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それにしてもまだ朝の9時だっていうのに、
どうしてペルーの太陽ってこうも元気なんだろうか。




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強い太陽を浴びる時いつも思う。
日本って、どんなに暑い夏でも、こんな近くに太陽を感じることはなかった。
それはやっぱり地形や緯度の関係上なんだろうけど、
こうやって降り注ぐ光を、そして熱を間近に感じる時、
太古からこの国の人々が太陽という存在を特別視して、
独自の宗教に取り入れた訳がわからなくもないな、って思う。






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だいぶ登ってまいりました。




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とぉーくの山々まで見えるよー




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この空に向かってのびる階段を、青空階段と呼んだ。
あ、個人的にですよ。


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足を何度も止めてしまう。
見たこともない山の景色が、これでもか!ってくらいに迫ってくるんだもん。
そういえば私、この旅に出るまで、
何時間もかけて山って登ったことなかった。
トマムの山の上から雲海を見たことはあったけど、
ケーブルカーですいーっと登っちゃっただけ。なんにも苦労ない。
自分の足で登って見た雲海は、ないなぁ。
富士山もまだ未体験だし、日本の山ってどんなだろう。




とか言うと、この山バカが「じゅんちゃん、登ろう!」ってなるから、
心のうちに閉まっとこ。

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颯爽と登る山バカ





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見るからに痛い私





言っときますが私、決して運動神経が良い方ではございやせん。
いや、もう知っての通りって言った方がいいすね。
ここの階段の傾斜、めっちゃ急だし。
ぜぇぜぇ喘ぐ私の横を颯爽と抜かしていく欧米人観光客。
いつも思うんだけど、
なんであの人達ってこういうアクティビティの時、
本気のスポーツスタイルしてるの?
NIKEにAdidasにTHE NORTH FACEに、全身スポーツブランド。
乾き易そうな素材のTシャツとかさ、
ピタっとしてるけど動き易そうなレギンスとかさ、
もちろんシューズだってさ。
普段の旅中だと、そのスポーツスタイルって浮かないか?
それとも旅行に持ってくアイテムの一つとして、
ドレスや部屋着、そしてスポーツ服、って感じで分けてるの?
まぁそれが出来たら最高だよね。
私達みたいに、いかに荷物を少なく旅するかで奮闘していると、
寝間着も外着も山に登る服も、ごっちゃになるんだよ。



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愚痴です、グチ。








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かなり登った。
すごいね、こんな上からでも川が流れてるのが見えるよ。
あぁそっか、水って山から流れてきて、
下の川とか湖とかに合流するんだった。

なんかこうやって眺めてると、
自然の仕組みが少しずつみえてくる。



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青空階段きもちー♬




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小屋が見えてきた。ついに着いたよ!!





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何人か先客も居て










ついにマチュピチュ山の頂点から見下ろした







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本当に、周りのたーっくさんの山々に囲まれて、
ただ一つ、そこだけにぽっかりと存在する都市遺跡。
たいがい、こういった秘境に都市を作る理由は、
宗教が絡んでいて、迫害を受けた人々が身を隠すため、
そして自分達の宗教を守るため、っていうのが一般的だと思ってた。
でもこのマチュピチュに関しては、
インカ帝国が築いた太陽の観測施設という説もあるし。
まだまだ解明されていない謎がいっぱい。
そこに心がうずいちゃう。





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誰が名付けたか知らないけど、
『空中都市』の表現はまさに、ピッタリだ。





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こんな絶景を目の前にランチをとる。
ただのパンとジュースだけなのに、
とっても美味しく感じるんだよねーこれが。




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1時間くらい居ただろうか。
気の済むまで写真も撮ったし、
そう、登った後には下りが待っているのです。




私達が下り始めた頃、ちょうど頂上に辿り着いた団体が居た。

「まぁー!着いたのねぇ~」

「はぁ~!やっとだわ~」

耳に入ってくるのは懐かしい言葉。
日本人の観光客団体だった。
しかも皆さん、御歳を召されたシニアの女性達。

「こんにちは!お疲れさまでした」と挨拶した。

彼女達は最初ビックリしたように、
けれどすぐに嬉しそうに寄ってきて話し始めた。

「あらぁ~、そんなに長く旅されてるの?んまぁ~」

「若いっていうのはほんとに良いことだわね」

「私なんてもう70歳過ぎてるんですの。
 だけどね、こうやってお友達と海外旅行ができて、
 健康でいることに感謝しなくちゃね」



70歳を過ぎてあの山道を登ってこられたなんて、、、!
ひぃひぃぶーぶー言ってた自分が恥ずかしいです。


「話しかけてくれてどうもありがとう。
 この先もどうか身体には気をつけてくださいね」




優しいおばさま達のお言葉に胸が熱くなる。
なかなかこういった世代の日本の方にお会いする機会は少ないから、
自分の家族や親戚を思い出しちゃったりして。

でもほんとに素晴らしいことだよね。
子供を育て上げて、また自由な時間を取り戻して、
気のおけない女友達と海外旅行。
健康でいられるからこそ出来る事であって、
誰もがみんな出来る事じゃない。

もちろん、それは今の自分にも言えることなんだけど。





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遺跡の所まで下ってきた時には、
もう午後2時を回っていた。
これから遺跡の中を見るっていうのに、私は完全にバテていた。




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あ、リャマだ。





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ぬぉーん、なんか喰うもんくれ。





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この岩、後ろの山の形を模して作られたんだって。
昔ここに住んでいた人々にとっては、
“聖なる岩”としてパワースポット的存在だったみたい。
だから私も触って、ちょっとパワーもらった気分になってみた。





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よくもまぁこんなに敷き詰められたものです





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とっつぁん!遺跡の修復、お疲れさまです。





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朽ちてる部分もまだまだ残ってる。
この先どうするんだろ?人間の手で綺麗にしちゃうのかな?
あんまり手を加えすぎるのもちょっと違和感がある。
でも、残していく義務があるんだもんね。。。




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往復5時間くらいはマチュピチュ登山に注いだせいで、
最後の遺跡見学はじゃっかん惰性で見てしまったけども、
それでも私は大満足だ。
最後に恒例のスタンプもパスポートに押したりしてね。




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そして私達はさらに歩いて宿まで帰った。
朝バスで登ってきた坂道を自分の足で下ると、
あの遺跡群がいかに高い場所に作られたのかがわかる。
高いからこそ、太陽に近い。
ほんとに、インカ人にとって太陽は『神』そのものだった。




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シメはやっぱ、これでね。
ペルーの地ビール、“クスケーニャ”で。





おわり。
















おまけ





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帰りのバス待ち、ローカルのインカおばちゃん達。
女友達のおしゃべりはいつでも盛り上がっちゃうんですね。











おまけの弐




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JUMPPPPPPPP!!!!!!








ちょっとマチュピチュまで歩こうか

Posted by junko on 15.2012 ペルー Peru   0 comments   0 trackback
2012年6月9日





マチュピチュ―――そのあまりにも有名な遺跡には、
「天空都市」という異名がある。
鬱蒼とした山々に囲まれ、ぽつんと空に浮かぶように存在する都市遺跡、
きっとその絵は誰もが一度はどこかで見たことのあるイメージだろう。






私達は、コイヨリッティの疲れがとれる頃合いを見て、
その天空都市を体感しに出発した。

マチュピチュに行くためには、
その名もマチュピチュ村(まんまです)に滞在するのが一般的。
クスコの滞在ホステル、カサデルインカで出会った旅人のうち、
同じ日程で行く仲間と共に向かった。




クスコ市内から早朝出発のバスで4,5時間ほど揺られた後、
乗り合いタクシーでぐねぐねした峠を越え、
水力発電所に着いた頃にはもう午後2時近く。
その時点ですでにぐったりしそうなところを、
気合いを入れ直していざ!歩き始める。





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そう、マチュピチュへはこんな道を3時間ほど歩いて行くんだ。




あ、普通の予算のある観光客は列車で行けます。
でも私達みたいなビンボー旅人は、足を使うしかないんです。




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列車で行くところを歩いていくわけだから、
必然的にその道は、線路沿いとなるわけで。




行ってきます!まだみんな元気な頃ね




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結構このゴツゴツした石の道を歩くのって、こたえるんですよね。





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で、ついに線路の上を歩き始める




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やばい列車来たよ!





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早いなーさすが’に






気づけば日も暮れ始め、
気持ちが焦ってきたころにやっとマチュピチュ村が遠くに現れる。
イメージはもう完全に、山奥の温泉郷。




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村に着いて、チェックしてあった宿に直行。
もうみんなおなかペコペコで、
夕食をとりに近くの市場へ。





恰幅の良いおばちゃんが切り盛りする店、
カウンターにはびっしりと客が。
きっとあそこは美味しいから人気なんだ。あそこにしよ。

こんな時は炭水化物セットがおなかに沁みます。
THE米・麺・芋!みたいな。
それにチキンも乗ってきちゃうから大変。
おばちゃんが惜しみなくどーん!と載せてくれたプレート。
いやー美味かった。




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いっぱい食べておっきくなるんだぞー






ところでさ、先にお風呂に入ってからご飯を食べに外に出た時ってさ、
家に帰ってからなんであんなに気分良いんだろうね。
もう、おうち帰ってベッドにばたーん!ってできるしね。
身体はスッキリ綺麗になって、おなかん中も綺麗になるんだろか。
いつもより美味しく感じませんか。

あの状況でビールを我慢できた自分を褒めてあげたい。





宿に戻り、窓を開けると目の前に立ちはだかる山。
暗闇の中でさえ、くっきりとその稜線は見えた。
あれこそが明日向かうマチュピチュだ。
いよいよワクワクしてきたぞ。










翌日6月10日、早朝6時発のバスに乗り込む。
そう、朝イチで行かなければすごく混むっていうから、
あんまり人がうじゃうじゃしていない中、
まるでその景色を独占したかのような経験、したいしね。

まだ暗い中バスは走り出す。
それもほんの10分ほど走ると街中を抜け、山道へ。
バスはどんどん上へと登る。
この道を歩く強者もいるらしい。
さすがにそこまでできんかったなー。




さぁ、着いた。
空も明るくなり始めた。
オープンと同時に列を組んで待っていた客が中へと吸い込まれて行く。
私は一番有名なあの景色が見れるという見張り台へ直行。








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そうそう、これだよこれ。
初めて見たのは何だったかな。
旅行会社のカレンダーだったか、はたまた友達のブログだったか。
何これ?って思った。初めて見た時。
なんでこんな所に街を作ったの?
それもどうやって?誰が?なんのために?
うわーすっごいなー。
これ自分の目で見たらどんなだろうなー。



今、その景色こそが目の前に在る。





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ぜーたくな朝の過ごし方





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そりぁ叫ぶよ!
何言っていいかわかんないけど、わー!って叫んじゃうよ!





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日も昇ってきたし






じゅうぶん独占した。
この景色を、満足いくまで堪能できた。
ありがとう。早く来て正解。
日が昇りきった頃には、もう観光客だらけ。

実は今日の目的はこれだけじゃない。
私は、山に登る。
そう、マチュピチュという名の山に。





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ここの遺跡群は、2つの大きな山に囲まれている。
一つはワイナピチュと言って、
ケチュア語で「ワイナ=若い」「ピチュ=峰」
つまり新しい山ってわけだね。
最近の観光客はこっちに登る方が人気みたい。
だけど私達が選んだのは、
もう一つの方の山、マチュピチュ。
同じくケチュア語で、「マチュ=老いた」を意味する。
登るのにかかる時間はこっちの方が長いらしい。
だけど、THEマチュピチュのイメージとして脳裏に刻まれた、
あの景色をさらに上空から眺められるのは、
こちら側だという情報のもと私達は決めた。





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そうしてまた山という存在に触れることになる。





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星と雪の巡礼祭コイヨリッティ 三日目

Posted by junko on 10.2012 ペルー Peru   1 comments   0 trackback
2012年6月5日




眠ったのか眠らなかったのかよくわからないまま、
私は午前2時半、テントの外に出た。
相変わらず会場からは太鼓に笛の音、そして踊り続ける人々の熱気が煙と共に流れてくる。
寒さはマックスに達していた。
だけど登り始めればきっとその寒さも感じないはず。

私達は早々に出発した。




まだ真っ暗な闇の中、今から登り始めるウククの集団をみつける。
やっぱり彼等もこのぐらいの時間に出発するのか。




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満月の光は思っていたよりも明るく、
真っ暗な山道を照らしてくれた。
でもそれで十分は訳はなく、
クスコ市内で手に入れておいた、ちっちゃなライトをおでこにくくり付け、
炭坑マンみたいな様相で自分の歩く道を照らす。

昨日の夕方、一度登っていたのが功を奏して、
どのルートが一番安全かつスムーズに登れるかを、
ケイヨウは覚えていた。




闇の中ひたすら登り続け、
見上げると雪山の部分だけが月明かりに照らされて白く光っている。
あそこまで、行くんだ。
今度はちゃんと、てっぺんまで行くんだ。



そうして、辿り着いたてっぺんからの景色。
会場は炎のように燃えているみたい。




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不思議だ。
昼間よりも条件は過酷なはずなのに、
昨日登ったよりも随分と楽だった。
1人じゃなかったし。
気持ちは前向きだったし。
それだけでこうも違うんだね。
ていうかそれが大事だったんだね。



でもやっぱり時間はそれなりに経っていて、
辿り着いたときにはすでにウクク達も居た。
彼等はこれからあの氷山に十字架を取りに登る。





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月明かりで白く光る氷山の向こうで、星が瞬いてる。
あぁそうだ、この祭の名前、
『星と雪の巡礼祭』だった。
まったくもって、その通りじゃんか。





彼等が動き出した。
百人以上いるウククの中で、選ばれし数人だけが登って行った。


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さっきまでガヤガヤ喋っていたのが嘘のように、
厳かな雰囲気の中、
取り戻して来た十字架を囲んで彼等は祈祷を始めた。

星は貧しさが豊かに変わるもの。
雪は病気が健康に変わるもの。





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だんだんと空が白み始める。





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そこに観光客は私達以外いなかった。
明るくなってから1人の白人を見かけたが、
まだ暗闇のうちから登っていたのは私達だけだった。

そんな私達をウククの彼等も認めてくれたのか、
ものすごく好意的に受け入れてくれた。

「写真撮ってくれよぉ!」

いんですか!?喜んで!!!!!




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太陽の姿は見えないけれど、山のすぐ側まで昇ってきているのがわかる。




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そういえば忘れていたけど、
ここ、ものすっごく寒い。
気づけばつま先が凍りそうになっている。
私は靴を脱いで、ウククが使っていたロウソクに足先を寄せて温めた。
ケイヨウは言う。

「靴の中で意識してつま先動かさないとダメだよ」

一体アコンカグアでどれほどのサバイバル技術を身につけてきたんだ、この人は。




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ウククと共に、寒いねーどっから来たの?なんて会話しながら、
その時を待つ。



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絵になるねーなんて見とれていたら、
この後オシッコしたよ、この男。
よっぽど気分いいだろうよ、こんな所でしたらさ。





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みんないい顔してるね





「さぁ、降りるぞ!」

ウククの1人が言ってきた。
夜がもうすぐ明ける。
私達はウククと共に下山を始めた。




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私達が共に過ごしたウククは赤と白の縞模様、
黒と白の縞模様の二種類の衣装を身に付けていた。
実は他にも黄色や黒の衣装を身に付けた集団があって、
そんな彼等は私達とは別のルートを登って、
反対側の雪山で同じように祈祷の行為をしていたらしい。

その別の集団も一斉に降りてくるわけだから、
ものすごい数のウククが山を埋め尽くす。




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圧巻の一言だった。
いつまでもそのスケールの大きな景色を見ていたかった。
山と人が織り成すその絵は、
今まで生きてきて初めて目にするものだった。




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『巡礼』という今まではどこか遠くにあった言葉が、
今ならすーっと染み込んでくる。




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私は、宗教とは別の次元で、
『巡礼』できたような気持ちになった。





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太陽が姿を見せ、一気に冷えた身体を温めてくれる。

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だいぶ下まで降りると、広場にこれまたもの凄い数の人々が集まっていた。
夜通し踊っていた集団だろう。衣装を身に付けている。
彼等はウククの列に混ざり、一緒に歩き始めた。




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もう何もかもがごっちゃ混ぜ。
みんな徹夜明けのハイテンション。
歌うわ踊るわ廻るわで、
会場のボルテージはマックスに達した。



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無事に十字架を運んできたウクク達を、
会場で待っていた人々は盛大な拍手で迎える。
私達といえば、そのウクク側に居たもんだから、
どさくさに紛れて祝福されちゃっている。



なんって気分がいいの!!!!!









私はケイヨウに感謝した。
昨日の大喧嘩の一件もあって、色々考えさせられたけど、
1人じゃ絶対にこんな体験、できなかった。
登らなければ見れない景色が、
この世にはあるんだね。








テントに戻る頃にはすっかり日も昇り、
今朝のあの凍えるような寒さが嘘みたいにあったかい。
周りは気忙しく帰り支度を始めている。

私達も、帰ろう。





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来てほんとに良かった。
ペルー人の底力を見せつけられた。
独自の宗教文化を五感で体感した。







コイヨリッティ、ペルーが誇る奇祭とは、
人々のエネルギーが爆発する場所だった。






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そうして行きと同じように、3時間かけて8kmの道のりを下る。
みんないつもの日常へと戻って行った。


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クスコの宿に着いたのはもう夜近く。
ボロボロになった身体は、ベッドに吸い込まれていくように、
私達は死んだように眠り続けた。








それぞれの思い

Posted by junko on 09.2012 ペルー Peru   0 comments   0 trackback



やっぱり途中で切れちゃうの、やだ。
から、最後まで書くもんねー!







2012年6月4日

午後になっても会場の熱気は止むどころか、
どんどんヒートアップしていった。



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至る所で人だかりがあって、
太鼓と笛で繰り広げられる独特の音楽に合わせて、
くるくる廻る踊り子たち。
そんな彼等を見守る見学者。
熱弁ふるう人に耳を傾ける人たち。
はたまた列を成して次の出番待ちをするパフォーマーたち。



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正直、観光客っぽいのはほとんど見かけなかった。
ゼロとは言えなくとも、
すれ違ったのは10人にも満たない。
こんな大きな規模で開かれてるのに、
数万人も集まってるっていうのに、
たったの10人弱にしかすれ違わないって、凄い事!!!
やはりまだ観光客には知られざる秘境の祭ってとこなんだろか。

でも以前に比べ、認知度が上がってきているのは確か。
この先もっと訪れる観光客は増えていくだろう。
そうなった場合、この超ローカルな人々で成されている祭の運営は
一体どうなっちゃうんだろう。
今でさえ舞踊のタイムスケジュールとかあって無いようなもんだし、
でもそのぐちゃぐちゃ具合がまた醍醐味だから、
これがシステム化されるとなるとちょっと違和感を覚えてしまう。

ゴミのこと、トイレのこと、食事のこと。
川の岸辺にずっしり溜まったゴミの山。
悲しくなるけど、この辺はまだまだ未発展。
生ゴミならまだしも、プラスティックとかダメでしょう。
ゴミは自分で持って帰らなくちゃ。

ほんの数カ所しかない簡易トイレはいつも長蛇の列。
必然的に、野原に放出するしかなくなる。
だって簡易トイレっていったて水洗なわけはなく、
下を覗けば川が流れているんだもんね。
だったら直接川に流すのと一緒じゃんね。
食事に関しては無数の炊き出し場所があるから心配はないかもしれない。
私達に関しては、それでも自炊していたけど。。。
朝昼晩いつも雑炊。



炊き出し食べたかったけどさ。。。



お金ないから。。。



まぁ、そんな自主的な判断、行動ができる人じゃないと、
行っちゃいけないんだろなーきっと。







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たったこれだけの種類の楽器で彼等は人々を熱狂へと導く音を奏でる




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私達は目的もなくただ歩き回っていた。
ケイヨウが突然言った。


「あの山登りたい」


あの山ってどの山?


「この山」



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どこまで?


「あの雪積もってるとこまで」



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いや、ちょっとまだ心の準備が、、、


「上からの景色を観たいんだ」


うん、、、私も観てみたいけど、、、






アコンカグアに挑戦してからというもの、
すっかり山の魅力に取り憑かれてしまったケイヨウ。
ほんとに、見る山すべて、

「あー、あれなら登れるかも」

とか、

「あれはキツそうだなー」

とか、勝手に登山妄想しているのである。





私の返事をイエスと受け取った彼はスタスタ登り始めた。
仕方無く私もついていく。
最初の方はまだ人の姿もたくさん見かけた。
かけずり回って遊ぶ子供達や、川で洗い物する女性たち。
普段インディヘナの女性は写真を撮られるのを嫌がるのですごく警戒するが、
この時ばかりは気持ちもオープンになっているのか、
普段より数倍撮り易かった。



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そんなもんだから、登りながら止まっては撮る、の繰り返しで、
いっこうに私の歩みは進まない。

見るからにしびれを切らしているケイヨウ。




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「先に登ってていいよ」

と言ったのは私の方だった。
待たせるのも悪かったし、気兼ねなく撮りたかった。
すると今まで私を振り返りつつ登っていたそのスピードが嘘のように、
あっという間に彼の姿がちっちゃくなってしまった。








ぜぇぜぇ息が切れる。
当たり前だ、ここは標高6390m。
空気も薄いし、なんせこの山の傾斜がすごい。
ふと振り返ると、さっきまで居た会場がもうあんなちっちゃくなっている。



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明らかにしんどそうに歩く私を、
インディヘナのおばちゃんはすいすいっと抜いて登って行く。
しかもサンダルで。
ねぇなんで?なんでサンダルでそのスピード?
鍛えられたその足の細いこと!
そうそう、インディヘナのおばちゃん達って、
上半身はどーんっと大きいくせに、足だけは細いのね。



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そんなどうでもいいこと考えながら足を進める。
傾斜はさらにキツくなり、手を使わなければ登れないくらい。
もう服も土だらけだ。
ところどころ流れる川をジャンプで越える度に、
踏み込んだ砂利石が滑る度に、
カメラのことが心配になる。
雪山はまだまだ遠くだ。
すでにケイヨウの姿はもう見えない。
もうてっぺんまで辿り着いたんだろうか?




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ちくしょーきっついなー
だけど絶対てっぺんまで行ってやる




そんな思いで頑張っていた。
やっとの思いで雪山の近くまで辿り着き、ウククの集団をみつける。



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雪山の横にケイヨウの姿も見えた。
よし、あとちょっとだ。
あれ?彼が降りてくるよ?
あぁ、優しいねケイヨウは。わざわざ降りてきて手を引いてくれるのね。
私も待ってないで登ろう。

彼が何か叫んでる。
「じゅんちゃん、がんばったね」

の一言を待ってたんだけど、なんかどうも違うようだ。

「◯△□って!」

「えー?なにー?」

「もう降りろって!!!」

「は!?なんで!!!」

「5時になったからもう降りろって言われた!」

「・・・は?」





その瞬間の私の模様

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photo by ケイヨウ






意気消沈とはこのことです。
せっっっかくしんどい思いして登ってきたのに、
てっぺん目前に降りろとはどういうことですか。


その虚しさはやがて怒りに変わっていった。
当たるべき、というよりそれができる 対象は一人しかいない。
ケイヨウだった。

「なんで!なんでこんな時間に登ったのさ!」

「オレだって5時までに降りなくちゃならないって知らなかったんだよ!」
 それにじゅんちゃんが途中で止まって写真撮ったりしなければ間に合ったじゃん」

「だって撮りたかったんだもん!」

「わかるよ。オレだって撮りたいよ。
 でもまずは最後まで登って、それからでも遅くないじゃん」

「でもあのインディヘナの女の人はあの瞬間にしか居ないもん」

「オレとじゅんちゃんは撮りたい写真が違うんだよ」

「わかってるよ。だからそれぞれ撮ればいいじゃんか」

「でもそれぞれが勝手に動いたら2人で居る意味なくなるよ」

「だったら1人になればいいじゃん!!!」

「本気じゃないのになんでそういうこと言うの」

「知らない!!」




あぁ言えばこう言うの繰り返し。
まぁ、こう書いてると完全に私の方が子供ですが。
私達は山のど真ん中で大喧嘩した。





この岩山は下りも大変。
なんせ石が滑る滑る。
ケイヨウは喧嘩してても手を差し伸べてくれたのに、
私はそれを払って自分1人で降りようとしていた。



と、そのとき。






派手にコケた。






なんでいつも私ってこうなの。コケるの。
その時鈍い音もした。
カメラバッグも派手に石にぶつかったのだ。

すかさずカメラを確認すると、レンズキャップが変な風に食い込んで、
キャップが空かない。
落ち着いて考えれば大した問題ではないのに、
というかきちんと対処すれば大丈夫なのに、
その時の私には到底無理な話。




私、号泣。

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ケイヨウ、沈黙の怒り。

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あー、エラいもめてまっせあの2人。だから男女問題は嫌やねん。

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一通り感情を放出すると、いかにバカバカしい喧嘩だってことが分かってくる。
互いの趣向が違うのは当たり前なんだ。
それでも2人が一緒に居ることで、広がる可能性があるんだ。
どっちかが折れるか、もしくはどっちも満足する道を見出すか、
要は捉えようによってどうにでもなる問題。





「テント戻ってあったかいお茶飲も」

「うん。カメラも直さなくちゃ」

「だね」







そう、なぜ5時までという時間制限の中、
ウクク達が雪山へ登ったのかというと、これだ。



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てっぺんまで登り切ったケイヨウにしか撮れない写真





彼等は十字架を雪山に刺す。
そして翌朝夜明け前にその十字架を再び取り戻すのに山を登り、
日の出と共に下山する。

これこそが、コイヨリッティにおいて最大かつ重要な行為。
雪山と言うよりはもう氷。
氷山を登る危険と隣り合わせの大事な

雪山の真ん中に刺さっている十字架が見えるだろうか?


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その晩、会場は眠らなかった。


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夜通し流れる音楽と、人々の熱気が夜風に運ばれやってくる。
私達はテントの側でその風を感じていた。




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もはやこれが即席のテントで作られた三日間だけの村とは思えない。




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私達には或る一つのプランがあった。
ウククに聞いたところによると、
彼等が十字架を取り戻しに行くのが朝の4時頃。
それならば、私達はそれよりも前に登って、
山を登ってくる彼等を上から写真におさめようじゃないか。


私の足取りも考えると、一時間半は必要。
出発は午前2:30と決めた。
私達は少し仮眠をとることにした。





月は満ちた。
いよいよクライマックスがやってくる。




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星と雪の巡礼祭コイヨリッティ 二日目前半

Posted by junko on 17.2012 ペルー Peru   0 comments   0 trackback
2012年6月4日







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夜が明けたぜよ







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まだ肌寒いから外に出たくなくて、
テントの中から外を覗くともう周りの人々は動き出している。







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陽がどんどん強くなっていって







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今日が始まる!
川の水で髪を洗う女性、パンをかじる少年、
大きな風呂敷に荷物を詰めるおばちゃん。
皆せわしくなく動き回っている。



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よーく見てみると、民族衣装に着替えている人がちらほら。
きっと舞踊に参加する人なんだろう。



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遠く向こうには煙が立ちこめる。
みんな朝ご飯の支度をしているんだ。






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何かが始まる。
そんな期待を否が応でも膨らませるような朝の光景。
私達は早々にテントをしまい、メイン会場となる教会近くを目指して再び移動し始めた。



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教会の周りを囲むようにして張り巡らされたテント。
ちなみにこの巡礼祭が無い普段の間は、
山間にこの小さな教会がポツンとあるだけだという。
人やテントの数からいって、
ここはまさにコヨリティのために造り上げられた、
期間限定だがしかし立派な町のよう。




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青いのぜーんぶ、テント




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10時を回った頃、人々は教会前に集まり始めた。
それぞれの村から衣装を纏い、パフォーマンスをするためにやって来た人々。
そんな彼等のパフォーマンスを観に来た人々。
どちらにしても目的はただ一つ、『巡礼』だ。






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舞踏チームがそれぞれの旗を掲げて教会の前に整列する




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すべての旗には「Senor de Qoyllor Rit'i」の名が。




教会の前に出てきた司祭的な男が、
何やら熱い口調で語り出す。

「エルマーノ、エルマーナ!=我が兄弟、姉妹よ!」

的な感じで。
皆真剣に耳を傾けているが、なんせ晴天でここは山の上。
太陽がジリジリと身体をむしばんでくる。
私は眩しくて帽子のツバで強い日差しを遮断した。






するとその時だ。
ムチで地面を叩く「パン!」っという音が私のすぐ後ろで鳴った。
ビックリして振り向くと、こんな奴らが立っている。



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え、何、、、


「帽子は脱がなきゃダメだ!」


は?


「ここは神聖な場所なんだから」


え、、、
いや、仰ってる意味はわかるんですけど、
なんですか?その甲高い声は。
仮面ライダーに出てくるショッカーの声みたいですよ。


「とにかく脱げぇ!じゃないとお尻ひっぱたくぞ!」


みたいな事を言っているんだろう。
私はおとなしく帽子を外した。




だけどこの人の喋り方や声からして、ふざけてるのか本気なんだかわからない。
でも周りを見渡すと、あぁたしかにみんな帽子を被っていない。
どうやら司祭的男がスピーチをする間は、
敬意を表すとして帽子は脱ぐようだ。

とはいってもこんな炎天下の元、直に直射日光を浴び続けたらどうなるか。
そんな簡単な疑問は宗教上には通用しないんだろう。
実際、救急センターのような施設があり、
長引く男のスピーチの間、何人か運ばれたのを見た。






アホか、と思ってしまう。
この辺はやはり完全に宗教を客観視しているから。
宗教というものが、身を犠牲にしてまで何かを捧げる対象に思えないから。





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こんな風に被っていた帽子を肩に掛けたり





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真剣にスピーチを聞くインディヘナの女性たち





よく見てみると、さっきの私のようにムチで警告される現地の人もいる。
どこまで宗教を追求するかは、やはり個人次第。




私達はいい加減フラフラしてきたし、
こういう無意味な縛りのある宗教色は好きじゃないので、
日陰へと避難した。
すると同じように涼む現地の人々もたくさんいて、
どこまで宗教を追求するかは、やはり個人次第。









私にとっては長過ぎる男のスピーチが終わると、
ついに始まった民族舞踊!
ここからもうノンストップで夜通し唄い踊り続けるなんて、
この時の私はまだ知らない。



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ムチを叩き合う踊りもあったり





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とにかく原色や蛍光色使いの激しい派手な色!





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この仮面マスクを被り、モコモコのモップのような毛を纏っている男たちのことを、
「ウクク」と呼ぶ。
彼等はムチを持って、ルール違反の人間を取り締まる。
この会場を巡回しながら管理する、
言ってみれば「おまわりさん」的存在らしい。

ちなみにモコモコの毛の衣装は熊を模したもので、
甲高い声はリャマの声だという。
彼等は本気でやっているんだろうけど、
ごめんなさい、どうしても可笑しくて。
だってこんな形でそんな声、可愛いんだもん。





あ、ちなみにウククも一緒になって回りながら踊ります。
踊るおまわりさん。




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ほんと、チームによって衣装は様々。
それを見ているだけでも目新しい。
ジャングル地方や山岳地方のリャマ飼い、そしてアンデスの先住民など、
それぞれ独自のカラーでパフォーマンスを披露する。





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一通り舞踊を見届けてから、会場を散歩。
炊き出しの湯気は相変わらずモクモクと、
高揚した人々の熱気と共に会場の温度を上げる。



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商売も繁盛しそうね






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教会前だけじゃなく、もうこの会場中どこでも踊りに出会える。





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腰にぶら下げているのはリャマの子供の死骸。
本物もあれば、ただのぬいぐるみの場合も。









なんか凄い所に来ちゃったな。
どこに居てもピーヒャラドンドン笛と太鼓の音楽は鳴り響き、
いろんな匂い、食べ物、動物、人の匂いが混ざり合って、
煙、川の水、馬の糞、なんかもうごっちゃ混ぜで。



テントの横でしばらく眺める。



なぜだか気持ちは宙に浮いたような、ぽーっとする。
だけどこの景色は、唯一ここでのみ、見られることだけはたしかだ。





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だけどまだこれは序盤に過ぎない。
ほんとのコイヨリッティはこれからだった。






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プロフィール

junko

Author:junko
北の大地でお魚食べて育った少女が、
世界へ旅に出ます。

写真が好き。
でも人はもっと好き。

まだ見ぬ出会いを、笑顔を、そして
感動を求めて。

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