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テントの中で飲むラム酒

Posted by junko on 21.2012 ペルー Peru   1 comments   0 trackback



2012年6月23日







今朝は朝6時に起きた。
昨日は夜の8時に寝たからたくさん睡眠時間はとっているはずなのに、
寒くて何度も目が覚めてしまった。
眠りは確実に浅い。







親指の爪の痛みは昨日よりも増している。
そこをかばうようにして歩くから余計に変な所も痛くなる。
けれど、痛みは意識の集中によって感じなくなることに気づいた。

例えば「痛み」というワードから一人連想ゲームが始まる。

「痛み」→「痛みをこらえてよく頑張った」→「小泉元首相」
→「Xジャパン」→「Endress Rain」→「ニコニコ動画」
→「マキコ」→「ユウタ」→「元気かな」

といった具合に、完全に自分にしかわからないネタなんだけど、
どんどん頭に浮かぶ映像だったり音だったりが変化していく。
同時に「痛いなぁ」という感情は忘れていく。
すると自然と歩幅も大きくなって、歩くスピードが早くなる。
意識して姿勢を伸ばすと、ずっと向こうにタカシ君とヒカル君が。
だんだんと彼らの姿が大きく見えてくる。
追いつきそうになって、すごく気持ちも高揚してくる。
これがクラマーズハイってやつなのかな。

休憩をすると足が固まっちゃうから、
なるべくしない方がいいってケイヨウが言ってた。
だからみんなが休んでいる間も歩き続ける。
一人でゆっくり、ゆっくりでいいから。
自分の呼吸の音と川を流れる水の音しか聴こえなくなる。

だけどあっという間にみんなに追いつかれる。
私はほんとに歩くのが遅いみたい。
もし爪を損傷していなかったらもっと早く歩けただろうか?
それとも体力の問題なのか、、、






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みんなで写真を撮り合いっこ






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タカシ君はポーズのキングです






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だめだね、まだ照れがあるもんヒカルは






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やっぱりこの人は飛ぶでしょう






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もう天候はひどく荒れてきた。
視界が悪くて、なんにも見えやしない。
それでも遠くには雪をかぶった山脈がうっすらと。
私は岩井俊二監督『ラブレター』の中山美穂のごとく、
向こう側の山に向かっておもいっきり叫んだ。





「おーげーんーきーでーすーかーーーーーーーー!!!」





するとその何秒か後に、向こう側の山から雪崩が起きた。
ずどどどどどどど、、、!




「ちょっと!やばいですって淳子さん!
 雪崩起きちゃったじゃないですか!」

「え?あたしのせいなの?」

「いや可能性はなきにしもあらずだよ」

「音の波が伝わったのかも」

「え!?まじで!?それやばくない?」

「うん、もし人が居たらどーすんの」

「え?ちょまって、どうしよ」

「もうどうしようもないって。なんで叫んだの」

「淳子さんやり過ぎですよー」

「えーーーーーーーーー」





ふざけてんのか本気なのかわからない顔で言ってくる男の子達。
ねぇ、なに?ほんとなの?
とりあえず、山で大声で叫ぶのはやめといた方がいいでしょう。





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吹雪に打たれながらも、サンタクルス一番の峠を目指す。
PUNTA UNIONと呼ばれるこの峠を越えれば、
あとはもう下るだけ。
もう思考は完全に前へ、上へのシンプルパターン。
標高は4,750mとかなり高い。
振り返らずに、前へ、上へ—。





やっとの思いで頂点に達した時の感動!!!!!
ケイヨウが「じゅんちゃんがんばったね」と言ってくれたから、
私は思わず抱きついてしまった。
そしたらヒカルが「いーなー俺もー!」って、
すかさずタカシ君が「じゃ僕もー!」ってなって、
四人で抱き合いながら喜んでた。






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湖だけがぽっかり、ものすごく美しい蒼を浮かべていた





私達が登ってきた反対側の道からロバが登ってきた。
足下はツルツル、何度も滑って転びそうになりながら、
一生懸命歩いていたロバ。
ロバだってこの峠越えは辛かっただろうよ。





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なんだろう、この高揚感。
天気は最高潮に悪いのに、もう景色なんかどうでもよくて。
ただただ、自分の足でここまで歩き続けてこれたこと、
とにもかくにも「頂」に立っていること、
それがすごく嬉しくて、達成感に満ちあふれた。
もちろん、歩くのはこれから先も続くのにね。
峠を越える前と越えた後の気持ちって、全然違った。





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峠を越えた頃からお日様がみえてきた。
山の天気ってこんなに変わりやすいんだ。
この山を下から見上げる絵が最高にカッコ良かったんだ。





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そりゃタカシ君もポーズきめるっしょ






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すれちがった現地のおじちゃん。
なんと彼とはこの後ミラクルな再会をすることになるんだけど、
それはもうちょっと先の話♬











16時にテントサイトに到着。
ヒカルがちょっとだけ高山病っぽい頭痛を感じ始めて一休み。
標高としては3,800mまで降りてきたのに、、、
高山病ってただ高い場所に居るから起こるんじゃなく、
高低の差に順応できない時に起こるものなんだね。





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まぁでも元気なんだけどね





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明日のルートを再確認






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今日は9時に出発、17時に目的地に着いた。
休憩を抜いても7時間は歩き続けた。
例えば8時間労働の会社員、9:00〜17:00まで働く。
ランチの時間を抜けば7時間、働いたことになる。
私が歩き続けた時間、彼は誰かの、そして何かのために労働する。
一方私はただただ、歩き続けた。
生産力として比べたら何も無いに等しいかもしれない。
だけど、例えばこの7時間トレッキングしたことで私に体力がついたとする。
それで一日寿命が延びたとする。
そしたら元の寿命より一日分、誰かのために美味しいご飯を作ってあげられるかもしれない。
世界のいろんな話を聞かせてあげられるかもしれない。

そう思うと、どんなことにも無駄なんてことはないっていう、
誰かが歌の中で歌うような言葉が、
実感をもって自分の中に沁みこんでいく。








そういえば、なんだけど。
今日って何日だったっけ。
たしかトレッキングを始めたのが21日だったから、
今日は三日目、、、ってことは23日、、、
ってことは、あれ、あたし誕生日じゃないか?
あれ、でもほんとに今日って23日かな。
ケイヨウから何にも言われてないけどな。




31歳か、、、31歳?あー、31歳だ。
まさか山の上で迎えることになるなんて想像もしなかった。
1年前の自分には、いや半年前、いや一ヶ月前、
いや一週間前の自分にさえも。

うーん。どうしたもんか。
やっぱり今日は23日だよ。
ケイヨウさんはすっかり日を失っているご様子。
もうすぐ23日が終わってしまうんですけど。
もしかしてギリギリ直前に何かサプライズでも隠してる?
いや、今回に限ってはコイツ、完全に忘れてるな、、、



えーい、笑いに持ってけ!
私は意を決してカードを放った。



私「あのさ、今日って何日だったっけ?」

ケイヨウ(K)「今日?えーっと今日はー、あれ?何日だっけ?」

私「・・・(やっぱ忘れてるコイツ)」

K「あ、23日だ。うん、23。」

私「あ、そう。」

K「?」

私「・・・」

K「!!!!!!!」

私「・・・」

K「わーーーーーーーーーーーー!!!!!23日かーーーーー!!!」

私「やっぱね、忘れてるよね」

K「いや、ちがう、じゅんちゃん、だって」

私「いいよ、もう」

ヒカル「え、淳子さんどしたんですか?」

K「今日じゅんちゃん誕生日だった、、、」

ヒカル「えーーーーー!?それはまずいっすよランさーん!!!」

私「いや、もうね、いいの」

ヒカル「ランさんそれはひどいっすよー」

K「いやちょっと待って、みんなだって日にちわかんなくなってたっしょ」

ヒカル「いやいやいやいや」

タカシ君「お祝いしましょう!」

K「そうだそうだ、ヒカル、ほら、ラム持ってきたよね」

ヒカル「そうだ、ラム飲みましょ、ラム!」







そんな風にして、日にちが変わるまであと30分って時になって、
彼らはささやかな、ほんとにささやかな(笑)お祝いをしてくれた。
体を温めるために良いと持ってきたちっちゃなラム酒と、
タカシ君が持ってきたサラミで乾杯。


ヒカル「帰ったらちゃんとお祝いしましょーねー」

私「ありがとう。ヒカルは優しいねー」

K「・・・」

私「ほんと、完全に忘れられてたよね」

K「だって山だよ!?」

私「関係ないね」

ヒカル「関係ないっす」

K「すみません」

私「一生かけて償って!」

と、90年代トレンディドラマのような台詞を吐いてやったぜ。

あのまま黙ってても良かったんだけど、
そうすると私の怨念が来生までも引き継がれてしまいそうなので、
ここは笑いに変えて正解でした。







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なんか60年代の学生闘争のアジトみたい(笑)






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ほんと、やってくれたよね君も。









で、迎えた最終日、24日。
四人で歩くのも今日が最後。
雨に降られたり強風に見舞われたり泥にハマったり。
本気でしりとりしたり、貴重なカップラーメンに感動したり、
変なポーズして写真撮り合ったり。

辛いことも楽しいこともたくさんあった。
そしてもちろんここまでやってこれたのはみんなのおかげ。





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ありがとう!






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でもやっぱり誕生日を忘れられて悔しいから、
おしおきだー!






最終日はヴァケリアという山の中に住む集落を横切っていった。
すれ違う子供達が一斉に言ってくる。

「砂糖ちょうだい!」
「パスタちょうだい!」
「飴ちょうだい!」

完全に私達ツーリストが何を持ってきて何を手元に残しているかを知っている。
そんな彼らをかわし、
最終地点まで辿り着いたのは昼前。





そこからはもうバスに揺られ続ける数時間。
4日間かけて一生懸命登ったのが嘘のように、
バスはすいすい進んでは下っていく。






結局は下るのに、人はなんで登るんだろう。







私の目標は達成された。
最後まで「疲れた」って言わなかったし、
最後まで自分の足で歩いた。
ずっと私の後ろでお尻たたきながらも見守ってくれたケイヨウ、
誕生日のことはまぁ、許してあげようか。




たぶん。







SDIM2757.jpg









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淳ちゃん頑張ったー!
でもいいねー!山で迎える誕生日なんて最高じゃん!羨ましいよ!
2012.12.25 23:32 | URL | shogo #- [edit]


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北の大地でお魚食べて育った少女が、
世界へ旅に出ます。

写真が好き。
でも人はもっと好き。

まだ見ぬ出会いを、笑顔を、そして
感動を求めて。

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