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人とは違うってことを望みながら

Posted by junko on 18.2012 ブラジル Brazil   0 comments   0 trackback

2012年2月25日


夜21:00にPuerto Alegre行きのバスに乗った。
車内はすいている。
隣の席にまさか乗客があるなんて想像もしないほど、すいている。

だから、出発間近になって、
一人の男性が私に何かを訴えるような視線で横に立っているのを認識しながらも、
彼が隣の席に座る乗客だと理解するまでに少し時間がかかった。

急いで私が隣の席に置いていた荷物をよけると、
ニコニコしながら彼は座るなり、唐突に喋り始めた。
もちろんポルトガル語はわからないし、
むしろ早口、
いや早口というか、、、どうも話し方が変わっているような、、、
そうか、彼は吃り癖があるようだ。
それに加えて私がいくらポカンとした顔をしていても、
彼は気に留めることなくノンストップで喋り続ける。

かろうじて聴き取れた、スペイン語に似ている単語を汲み取って、
私が日本人であり、南米を旅しているという事は伝わったようだ。
ふと彼が手に持っていたポップコーンを差し出してきた。

「はい。食べる?」

そんな感じで。

実は弓場農場を離れてからというもの、
ちゃんとしたご飯を食べてないせいもあってか、
最高潮におなかの調子が悪い。
恐るべしバランスの取れた野菜中心の生活。
今日も朝フルーツを食べたきり何もおなかに入れていなかったから、
すごく空腹だった。

目の前で、いい匂いを醸し出しているポップコーンを私は迷わずほおばった。
あまりにも私が勢い良く食べたからだろうか、
しまいには残りの全部をくれた。






10時を過ぎ、車内の消灯が消えた。
しかし彼はすぐに読書灯をつけた。
そして自分のIDカードを財布から取り出し、生年月日の部分を指差しながら、

「僕はジョゼ。27歳」

と言った。
だから私も、

「私はジュンコ。30歳」

と答えた。
唯一、言葉のキャッチボールが成り立った会話だった。
あとはほとんどが聴き取れず、
頑張って理解しようとする行為にも疲れ始め、
彼に背を向ける感じで窓に目をやった。

でも容赦なく彼は私の肩を叩いては、色々と話しかけてくる。
私は対応が雑にならないよう極力努力しつつも、
ついにこの一言を放ってしまった。

「寝るね。おやすみ」

そして愛二から借りているiPodのイヤフォンをさし、
ブランケットを顔の近くまで掛け、
目をつむった。




その直後だ。
またもや肩を叩かれた。
iPodを指さして、今何時だと聞いてくる。
私は液晶に出ている時間の数字を見せて、すぐにまた目をつむった。

うとうとし始めた頃、バスが停車した。
遠くなる意識の中、「あぁ、ただの休憩なんだな」と認識し、
そのまま眠り続けようとしていると、彼が肩を叩いた。
さすがに私もちょっとめんどくさそうに起きる。
すると、

「おなかはすいてないか?」と。

全然平気、そう冷たく答えると、また背を向けた。
どうしてこんなにすいている車内で私達だけ隣り合わせで並んでいるんだろうか。
だんだん疑問がわいてくる。
もしかして彼、本当は別の席なんじゃないか?とか。

不毛な考えを吹き飛ばし、また目をつむるも、
すぐさまこれが来た。

「今何時?」






はぁ、、、なんだか厄介な人の隣になっちゃったな。
啓陽が居てくれたら、こんなこと無かったのにな。
急に心寂しくなる。

だけど、悪い人じゃなさそうなのはたしか。
なんていうか、すごく子供のような瞳をしているっていうか、
にごっていない、瞳が。
どんなに私が理解できずにいても、時には無視しても、
彼は穏やかな表情ひとつ変えない。
あくまでも私は彼の言動にマイナスな感情を抱かないように、
いや、抱きたくないと思った。





深夜の間も二度ほどバスが休憩のために停車し、
その度に彼に起こされたけど、
私はものすごい集中力ですぐ再び眠りにつくことができた。

朝起きると、手に持っていたはずのiPodが無い。
イヤフォンは首に巻き付いたまんま、本体だけが消えている。
ボリビアのラパスでiPhoneを盗まれてから、
盗難には気をつけていたはずなのに、また!?
しかもこのiPodは、愛二の物だ。
それを盗まれただなんて、絶対あってはならないこと。
身の回りをくまなく探すも、見つからない。
隣の男性はというと、スヤスヤ気持ち良さそうに眠っている。

まさか、彼が、、、

いや、まさかね。
いや、でも、、、
一瞬でも疑いの心を持つと、
その思いは消されるどころか、大きくなる一方で。

今度は逆に私が彼を起こしてしまった。

「iPodが無いんだけど、、」

彼は眠気眼で座席の下をのぞいてくれた。
私も一緒になってのぞく。すると、、、



ほぼ私の後ろの座席の真下に光る物体。
やっぱりそれが探していたものだった。
私は本当に、本当に恥ずかしくなった。
ちょっとでもこの男性を疑った自分を恥じた。

彼はそんな私の戸惑いを知ってか知らずか、
何事もなかったようにまた目をつむっていた。

ほどなくしてバスは目的地に到着し、
荷物を降ろされるのを待っていると、
彼は意外にもシンプルに、

「良い旅を」

そう言って笑顔で去っていった。






普通って何だろう。
変わってるって、何だろう。

普通=良い
変わってる=悪い

そんな記号は存在しないのに。




とにかく私は彼に謝りたい。
そして、ありがとうと伝えたい。



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プロフィール

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Author:junko
北の大地でお魚食べて育った少女が、
世界へ旅に出ます。

写真が好き。
でも人はもっと好き。

まだ見ぬ出会いを、笑顔を、そして
感動を求めて。

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