Loading…

スポンサーサイト

Posted by junko on --.-- スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

就職物語 vol.2

Posted by junko on 31.2011 カナダ Canada   3 comments   0 trackback
アフリカ料理の店で初めて働いた翌日、
私は別のビストロの面接に向かった。


そこは、シンプルな内装にまとまった店内で、
晴れた日にはテラスに客が集まるような、
若いスタッフが何人かで切り盛りするレストラン。
バーカウンターも併設されていて、まぁこの辺ではよく見かける感じの造りで。
そういった店を、こちらでは『ビストロ』と呼ぶみたい。

たまたま通りすがりに発見して、
なんとなぁく惹かれて飛び込み営業をかけたところ、
たまたま不在だったオーナーに電話をしてみて、と言われ、
この面接までこぎつけたということ。


面接といってもすごくざっくばらんなもので、
若いオーナーとカウンターバーを挟んで数分話した程度。


「キッチン経験はある?」

「はい!」

「ここはタタキやタルタルステーキが多く出るんだけど、
 今それを仕切ってるシェフが今度辞めちゃうんだ。
 だからメインのシェフになれる人と、すべてのキッチンのアシスタントをやってもらえるような人を
 探してるんだけど、君はどう?」

「アシスタントならできると思います!」

「そっか。どれくらい働けるの?」

「いやもう、できるだけたくさん働きたいです」

「じゃあ、14:00からクローズまででどうかな」

「あーもう全然オッケーです!」


正直、キッチンでそんなに長い時間働ける所はそう多くない。
しかもアシスタントとしてなのに。
一日の中で長く働けるに越したことはない。


「いつから始められる?うちはもうすぐにでもって感じなんだけど」


えーと、明日はアティグの店でシフト入ってるしなぁ、、


「明後日の木曜日はどうですか?」

「OK。じゃあ木曜の14:00に待ってるよ!
 あ、シャツやエプロンはこっちで用意してるから。」


あ?もう決まりなの?いーの!?


「あの、私がどれくらい出来るかをわかってもらうためにも、
 まずはトライアルみたいな感じで一日見てもらった方がいいと思うんですけど、、」

「そうだね。それで一日試してみて、もっかい話そうか」

「はい!」



てな感じでちゃちゃっと決まってしまった。
正直、時給はアティグの店よりも高い。
それに何よりも、長時間働けるというのは、
生活や目標のためにもすごく魅力的。

どーーーしよ。二股やん。。
まぁ、とりあえずは明後日試してみてから決めよう!


そうは決めたものの、翌日アティグの店へ向かう足取りはなんとなく重い。
気にしてない振りをしても、
私って単純子だから、顔に出ちゃうのね。
すかさずアティグが気にしてくれた。

「どーしたjunko!疲れてんの!?」

「いやぁ、そんなことないよ。天気が悪いせいで気分が乗らないだけ」

「天気が悪い時は、ただ働くんだ!一生懸命働いてれば、天気のことなんか関係ないぜ!」

「お、おお。そうだね!」

「よし!じゃぁこのキッチン、ぜぇ~んぶ掃除してくれぃ!!」

「おっけー!」


またまた油まみれになって終了。
掃除って、始めるまではめんどくさいんだけど、
いったん始めちゃうと、いろんな所が気になってやめらんなくなる。

ふぃ~。

ビストロでの初日を控え、その夜は早めに寝床についたのだった。





翌日。
約束の時間よりも15分ほど早めにビストロ到着。
といっても、家から徒歩10分もかからない程度の好立地。
すごくいいエリアに住んでると思う。。


「よろしくお願いします!!」


って、意気揚々と入っていきたいのに、
そういえば「よろしくお願いします」って何て言うんだ?
直訳がないんだよなぁ。
よろしくっていい言葉なのになぁ。

そんなこと思ってたら、がちで固い挨拶になってしまった。


「ハロー!あの、全力尽くすんで、なんでも教えてください!」


超アツい人間じゃん、あたし(笑)


そんなんで始まったキッチンジョブ。
今日は、今度辞めてしまうメインシェフのアフメッドに付いて、
指示をもらってくれとのこと。

アフメッドはチュニジア人で、
とっても優しい瞳をしたナイスガイ。
でも仕事に対してはすごく真面目で、
店がオープンしてからの彼の働きっぷりは目を見張るものがあった。
なにしろ早い。
手さばき、全身の動き、すべてが。
こりゃー彼がいなくなったら相当困るだろうなぁ。。


「サーモンのタルタルには醤油ソースを付けるんだ」

「このワサビ入りのソース、WAFUって言うんだよ」

「タタキって日本語?」

「日本人も馬食べるの?」


アフメッドが色々と話してくれる。
そう、この店では馬肉のタタキや、醤油をベースにしたソースなど、
日本の食材を多く使っている。

「カドヤのごま油が一番良いんだよね」

と言われた時には驚いた。
ごま油といえば、やっぱかどやの純正ですよねぇ。



初日とはいえ、
あれ切ってくれだの、これ持ってきてくれだの、
なんだか細々と色々やらせてもらった。
私が行う一つひとつの作業を、
横から心配そうに見ては、アドバイスしてくれる一人の青年がいた。

彼の名前はミディ。モロッコ人。


「包丁を持って移動する時は、刃を下にしてね!」

「塩はこうやって上からかけるとまんべんなくかけられるよ」

「大丈夫かい?」


すごく面倒見が良くって、冗談も多く飛ばしてくれて、
私の緊張をほどいてくれた。


私が何か切るのにまな板を使う時、
ミディと半分こすることになった。

「Heyジュンコ。ここはデモクラティックに行こうぜ。
 ここからこっちは俺の領域、ここからそっちがジュンコの領域ね」

と言いながら、まな板のちょうど半分のところに指で線を引くミディ。
そういう時の説明に、「民主主義」なんて言葉を使っちゃうあたり、
なんともユーモアがあって好きだなぁ。


アフメッドやミディの指示やサポートがあって、
ビストロでの初日も無事終えることができた。
しかも、楽しかった。

木曜日とはいえ、店は大繁盛で、
仕事を終えたのはすでに12時をまわっていた。

オーナーのヤニックがビールを持ってきてくれた。

「どう?やっていけそう?」

「はい!」

「良かった。じゃあまずはアフメッドとミディの仕事のアシスタントから始めてもらって、
 様子見ていこうか」

「はい!ありがとう!」


キッチンの掃除を終え、テラスでスタッフのみんなとビールを飲む。
店内にはまだお客さんがいるっていうのに、、、
こういうとこって、ほんとに日本じゃありえないよなぁ。
でもしょーーーじき、仕事上がりのビールをテラスで飲めるなんて、最高。
私に話しかける時以外は、みんなフランス語で会話をしているので、
何を喋っているのかちんぷんかんぷんだけど、
一人で意識をどこかに飛ばす癖がいつからかついているので、
それもわりと気にならず。


うん。
ここでもやっていけそう。
楽しそうだし!

アティグのとこ、断らなくちゃなぁ。。
申し訳ないなぁ。。
でも、お金貯めるためだもん、仕方ないよね。。
よし、明日を最後にするってアティグに正直に伝えよう。


「ジュンコ、明日から来れる?」

「あー、明日はどうしても大事な約束があって、、明後日からなら!」

「ok。サタデーナイトはきっと混むからね!頼むよ!」

「はい!」



そして翌日、私はアティグに正直に事情を説明することになる。


スポンサーサイト
  

プロフィール

junko

Author:junko
北の大地でお魚食べて育った少女が、
世界へ旅に出ます。

写真が好き。
でも人はもっと好き。

まだ見ぬ出会いを、笑顔を、そして
感動を求めて。

最新トラックバック

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。