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アイスクリームの街

Posted by junko on 27.2012 アルゼンチン Argentina   0 comments   0 trackback




無事再会した後の4人で過ごす日々は、
のんびりしようと決めていたぶん、
それこそ本当に、何にもしなかった。

値段や環境を考えると、
先に啓陽たちが泊まっていた宿の方が条件が良かったので、
再会した翌日、そちらの宿に移った。







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ここのオーナー夫妻は本当に気持ちのいい人で、
啓陽たちが山から戻って来た時も、
心から歓迎してくれたという。

特に奥さんはとってもキレイ好きで、
汚くなりがちなキッチンのガス周りや、冷蔵庫の中などを、
定期的に、しかも徹底して掃除する。
もちろん水場なんか毎日キレイ。

宿の客にとって、トイレやお風呂などの水場が綺麗なことは、
本当に有り難い。
っていうのは、綺麗じゃない所の方が断然に多いから。

だからこの『Casa Puelto』という宿がすっかり気に入ってしまった私達は、
食材の買い出し以外、特に用が無ければほとんど宿の中で過ごした。

ワインの産地ってことでワイナリー巡りのツアーなどもあったけど、
山の疲れを取ってもらうことが一番だったので、諦めた。
それにワイナリー巡りはフランスに取っておきたい。







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めっちゃステキなオーナー夫婦







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ある土曜の夜、めかしこんで出掛けた二人。
宿っていう仕事柄、なかなか二人で出掛ける時間も少ないだろうね。






そんなオーナー夫妻をヘルプするのが、彼!





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エンリケ、めっちゃいい奴。
何かにつけて、すぐ
「ジェン(=¥円のこと)ちょうだい」って言ってくるけど。








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このコモンルームに入り浸ったもんです






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改めて4人で再会を祝し、、、




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ACONCAGUAに挑戦した者だけに与えられる記念品のポスター








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ワインまでも。さすがメンドゥーサ。








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宝物だね









あ、そうそう忘れてならないのが、
ここメンドゥーサは隠れたアイスクリームのメッカだと思う!
なんとトリプルで、200円しないんですよ。
トリプルなんて、ほんと、子供時代の夢ですよ。
それに何より美味しい♡


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贅沢な時間はあっという間に。
そろそろ次の行動を決めないと。
私達は、3月29日にチリのサンチアゴからイースター島に飛ぶフライトを
すでに予約していた。
それまでの時間を、どう過ごすか。

4人で話し合って、それまで少しの間、
お互いに2人の時間を持とうということに。
そういえば、ラパスで愛二達と合流してからというもの、
啓陽とふたりになる時間ってほとんど無かったように思う。

団体行動の中の二人。
しかも旅の最中。
モントリオールでの暮らしの中では見ることのなかった、
相手の新しい一面。
それはもちろん良いものばかりじゃなく、理解に苦しむものもあったり。
じっくりゆっくり二人で向き合う時間が少なかっただけに、
お互いにすれ違うことも事実あった。


乱暴に扱うと割れてしまう卵のような関係の愛二たちにとっても、
二人になる時間は必要だったんだと。











というわけで、私と啓陽は、
チリのサンチアゴに行く前に、
ビーニャ・デル・マールという小さな港町に行くことにした。

愛二たちはそのままメンドゥーサでゆっくり過ごすらしい。



ビーニャ・デル・マールには、
汐見荘というステキな名前の日本人宿もあるという。
しかもそこでは美味しい海鮮が食べれると。

3月18日、私達は期待を胸に、
南米6カ国目、チリへと向かった。




ここメンドゥーサからチリに抜けるルートは、
山間を縫うようにバスが走ることで有名。
もちろんその山脈には、
啓陽が青春をかけた(植村直己さんごめんなさい)
あの、アコンカグアもある。

普段なら寝てしまうようなバスの移動も、
今回ばかりはずっと、
窓の外に広がる景色と、
「あぁ、これなら登れるかな」と、
しきりに山を見ては登れるか登れないかの判断を下している啓陽と、
交互に見ながら移動時間を楽しんだ。






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わかりづらいけど、一つだけ雲から頭を突き出している山が。
それが、アコンカグア。







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ひろがる葡萄畑






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だんだん山々が近づいて来る






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今まで『山』っていうと、緑に覆われた日本の山をイメージしてたけど、
南米に来て、こういうゴツゴツした険しい岩山をたくさん見る。







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登山中、まさにこんなような道を歩いていたらしい。
道なき道っていった方がいいのかな。







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アルゼンチンとチリとの国境にやってきた。
バスから下ろされ、荷物チェックを受ける。







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ものすごい数のバイク集団が。
しかもハーレー・ダビッドソンの軍団!






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一人の初老の男性が話しかけて来た。

「どこから来たんだい?」

「日本です。そちらは?」

「おう、オレはボリビアからだよ!」

「ぼ、ボリビア!?」

「そうさ。奴らほとんどがボリビアから来てる」





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二ヶ月前訪れたボリビアは、その物価からしても
決して裕福な国ではなさそうだった。
その中でこんなバイクを持つ集団が居たとは。
まぁ、どこの街でもそうであるように、
金持ちとそうでない人がいるもんだ。






無事にイミグレを通り抜けて、バスは再び走り出す。


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帰って来た

Posted by junko on 26.2012 アルゼンチン Argentina   0 comments   0 trackback


2012年3月13日








帰って来た。









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帰って来た。









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帰って来た。










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良かったぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーー。











今朝早くにメールのやり取りをして、
私とツーちゃんが泊まるホテルに来てくれることになっていた。

昼過ぎに、玄関先で二人の姿を見た瞬間、
頬が痩けて肌もボロボロになっていて、
なんて痛々しいんだろうと思ったけど、
同時に、公道なのに杖をついて歩いて来たことが、
どうにも可笑しくて仕方無かった。
(というのはツーちゃんと私だけの内緒で)








彼らはここから歩いて20分ほどの宿に泊まっていた。
まだそこに荷物が残っているからそれを取りに戻ったり、
装具を借りたレンタルショップに返しに行かなければならなかったり、
再会を喜び合う間もなく、
バタバタと出掛けてしまった。





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再会した瞬間を想像しては、自分を奮い立たせてた日々だったけど、
いざ再会してみると、
照れやら何やら色々重なって、
欧米人みたいなド派手な再会シーンにはならなかった。


「お、おかえり、、」


「ん。」


ま、日本人てそんなもんだな。

でもじわじわと、
たとえば部屋に置いてある啓陽の荷物を見たりすると、
「帰って来た」っていう実感が、
本当に、じわじわとゆっくりやってきた。



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前日から準備しておいた食材で、
夕食の準備を始める。
せっかくこうして同じ宿で出会い、
訳もわからぬまま質問攻めに遭いながらも丁寧に応対してくれた、
京都の山岳部くん達も、夕食に招く。
それに、山男たちならではの話にも花が咲くんじゃないかって。




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アルゼンチンといえば、なんてったってステーキ!
美味しい牛肉が安く買えちゃう。

さらに、ここメンドゥーサは南米でも屈指のワインの産地。
アルゼンチンワインといえば、メンドゥーサなのだ。
ここ特有のセパージュ(葡萄の品種)は、MALBECというもの。
その中でも、商店のおばちゃん大絶賛の、
1996年ものというビンテージを奮発して買った。
(といっても、2,000円くらいだったはず)






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シラーに似た味でした→アヤさん、マサさん向けのメッセージです♡






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肉を焼いた油とニンニクで、ガーリックライスも作り、
モリモリ食べていただきます。







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話は山だけに尽きず、旅ばなしに発展し、
愛二も啓陽もハリキッて語ります。
(聞き手が良かったんだよね)







山では、パスタが主食だったらしいんだけど、
致命的なミスで塩を持って行くのを忘れたらしく。
仕方無いからトマトソースに砂糖を入れて、
『山パスタ』と称して食べていたらしいんです。

それからしたら、今夜の食事は何倍、いや何十倍も美味しかったはず!


(その後、一度だけその山パスタを食べさせてもらった、
 いや食べさせられたけど、まぁーーーーー大変な味でしたよ)






連絡を取ってくれた早稲田の山岳部の話が話題にのぼると、
愛二と啓陽がすかさず反応。

「水田監督に会ったんですよ!!!」

そう、二人は登山の途中、ベースキャンプで生徒達を待ち受ける、
早稲田大学山岳部監督、水田氏に会っていたんです。
そこで、たくさんの行動食(カロリーメイトやソイジョイなど)を頂いたらしく、
それはそれはお世話になったとか。

やっぱり大学の山岳部同士、横の繋がりはあるらしく、
彼らは水田監督のことを知っていた。






話はおおいに盛り上がり、
気づけば8時に始まった夕食も、深夜零時を過ぎていた。

「おやすみー」

それぞれが部屋に帰る。








同じ部屋に啓陽がいる。
実感はあるのに、未だ変な感じもする。

どれくらい痩せたんだろう。
おなかを見せてもらったら、今まで見た事のない割れた腹筋がそこにあった。

あんなに食べた後なのに、
「おなかすいた」と言うので、
深夜にペペロンチーノを作ってあげた。

ずるずるスパゲッティをすすりながら、
山で撮ってきた写真と共に、
この二週間の話をしてくれた。
それは朝方3時近くまで続いた。








とにかくさ、二人とも無事に帰ってきてくれて何よりだよ。
山の詳しい話は、そのうち彼らもblogで書くはず。
彼らが登頂したのかどうか、、、
気になる方は、どうぞ読んであげてくんなんし。



啓陽、早く書いてね




愛二、あきらめないでね







ほんとにお疲れさま。
そして、おかえり。







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雪を溶かした水を飲むけいよー







へなちょこ

Posted by junko on 25.2012 アルゼンチン Argentina   2 comments   0 trackback


2012年3月11日

上野山荘を出た私は、
レティーロのバルターミナルに向かった。

そこで約一ヶ月ぶりにツーちゃんと再会する約束をしていた。
イグアスの滝で別れたあと、
偶然リオのカーニバルに向かう朝バスターミナルで会ったきり。

彼女はサンパウロでアヤカ姫を見送った後、
(アヤカ姫はいったんNYCへ戻り、ほどなくして日本に帰国した)
弓場農場で一週間ほどお世話になり、
その後はブラジルのフロリアナポリスという町で、
サーフィンに明け暮れていたらしい。

もともと八丈島出身の島ッ子だけあって、海とは超お友達。
未だ泳げない私からすれば羨ましい限り。
サーフィン三昧の日々を物語るように、
褐色に焼けた肌でツーちゃんはバスターミナルで私を待ってくれていた。




「ひーさーしーぶーりー!!」




お互い独り立ちしてから、
幸いにも何事もなく楽しい時間が過ごせたことを喜び合って、
メンドゥーサ行きの夜行バスに乗り込んだ。

私は事前にチケットを買ってしまっていたため、
席はバラバラになった。
私はユミちゃんが夜食用に持たせてくれた巻き寿司をツーちゃんに分けた。





バスは30分ほど遅れて出発した。
ブエノスアイレスでの楽しかった日々を思い出しながら、
夜の闇に包まれて、すぐに眠りについた。

翌日の早朝、目が覚めると、
窓の向こうの景色がすっかり変わっていることに気づく。
広がる葡萄畑、背の高い木(ポプラの木に似ている)、
そして、それらの向こうにはくっきりと、アンデス山脈の稜線。

あれらの山のどれかに啓陽は登ってるんだ。
そう思うと、途端に胸がドキドキしてきた。
都市のブエノスアイレスに居た頃は
山なんて見る事がなかったせいか、
今こうして山脈を目の前にして、
すごく動揺している自分がいる。






2月29日に「行ってきます!!!」のメールをもらったきり、
啓陽からはもちろん連絡は無かった。
ツーちゃんもそれは同じで、愛二からの連絡は出発前で途切れてる。
だから、二人とも彼らがどこの宿に泊まっていたのかは知らぬまま。
朝の9時頃にメンドゥーサのバスターミナルに着くなり、
一人の若い男性が宿の客引きとして近づいてきた時は、
いつもなら相手にしないんだけど、
今回ばかりは真剣に話を聞いた。
しかもこの英語がなかなか通じない南米で、
彼は英語が話せたから話は早い。

一応、事前にいくつかの宿は調べてはいた。
それらの値段と大差ない値段を提示してきたので、
私達はその客引きと話をつけた。




もしかしてと思って、アコンカグアに登ると言う日本人男性二人が、
この宿に泊まってなかったか聞いてみた。
その若い客引きは即答で

「No」

ときた。
まぁ、そうだよね、宿なんてたくさんあるしね。

「But…」

え!何!?

「Few days ago, some Spanish guys died in the mountain…」










は?







え?何だって?







死んだって?






スペイン人の登山者が、、、?







は?







一瞬で足が震えてきた。
誰かが命を落とすほどの、山なの、、、?

硬直したまま足だけは前に進み、
客引きは一台の車が停まっている場所まで私達を連れて行った。

その車には年配の男性が運転席に座っていて、
どうやら若い客引きからバトンタッチされたよう。
荷物を車に詰め込み、私達は宿に向かった。

私はすぐに運転するオジサンに質問した。
というかもう、頭ん中聞きたいことだらけだった。



「あの、、、最近アコンカグアでスペイン人の登山者が亡くなったって
 さっき聞いたんだけど、、、それ本当なの?」

「あぁ、、、でも、アコンカグアはそんな難しい山じゃない。
 ちゃんとルールを守れば安全な山なんだ」

「あの、、私の彼氏と友達が今まさに登ってるんだ、、」

「おぉそうか!!!大丈夫だ、日本人はサムライだからねー!
 はっはっはっ」

そんなネタは今要らない。
ていうか笑えないし。

「いや、、でもさ、、死んじゃう人もいるんでしょ、、、」

「心配すんな!死んじゃう奴は、自分がスーパーマンだと信じてるやつだ。
 なんでもできると思い込んで、無茶をして、そういう結果になる。
 でも日本人はそんなことしないだろ。きっと大丈夫だ」




オジサンはやけに明るく、
けれどちっとも私の不安は薄まることなく、宿に着いた。





とりあえず、この宿で彼らの下山を待つことにしよう。
ツーちゃんとそう決めた。
どうやら家族経営の宿で、さっきの若い客引きはこのオジサンの息子らしい。
他に旅人も少ないし、静かに過ごせそう。

あまり普段は宿の写真を撮らない私だけど、
ツーちゃんが撮ってくれた写真を今回はちょこっとお借りして。
いつもこんなような宿(ホステル)に泊まってるんですよ。
いや、これはかなりキレイな方かな。




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入り口はこんなんで





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無駄にプールがあり。(欧米人はすぐ泳ぎたがる)





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室内にもアコンカグアの匂いがプンプン





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キッチンは自由に使える







オジサンも英語を話せることが、さらに私を質問攻め女にさせた。


「あのね、二人とも山に詳しい訳じゃないのにね、ガイドも付けずに行ったんだよ」

「おぉ、そりゃ大したもんだ。サムラーイ!」

「いや、そういうんじゃなくてさ。
 あのさ、あの山ってだいたい何日間くらいで登るの?」

「基本的には二週間くらいだけど、天候にも左右されるから一概には言えないよ」

「上の方は、すごーく寒いんでしょ?」

「そうだねぇ。でもちゃんと登る前に装備はチェックされるはずだし、
 山の上にはドクターもいるから、絶対大丈夫だって。スマイルスマイル!」


何を聞いても「大丈夫だ」
そりゃそうだよね、オジサンだってそれしか言えないよね。
その言葉じゃないとしても、
自分が求める答えなんかない。
何を言われたって、自分の気の持ちよう次第なんだから。
焦る気持ちをおさえて、その日はやり過ごした。

それにしても一体どうしたっていうんだろう。
ブエノスアイレスに居た時は、こんなに不安に襲われることは無かったのに。
やっぱり、道を歩けば否が応でも目に入って来る『山』の存在感がそうさせるんだろうか。
急にリアルに感じてきてしまった。





そしてその不安は、この夜爆発することになる。





夜8時を過ぎた頃だったろうか。
オジサンが新たな客3人組を連れて来た。
ぱっと見て一瞬でわかった。
彼らは日本人、しかも登山をしてきた人達だ。
真っ黒に焼けた肌と、持っている物や服装がそう伝えている。

「へい、君たちのアミーゴを連れてきたよ!彼らは日本人だ!」

そう意気揚々とオジサンが言う。

「それに彼らはアコンカグアを登頂してきたんだ。
 でも他に日本人は見なかったらしいぜ」









は?








え?








いや、もう一度聞きます







は?







やけに真顔でオッサンはそう言ったのだ。

「ホカニニホンジンハミナカッタラシイゼ」

その言葉の意味を解釈するのを拒否するかのように、
初めはすぐ頭に入ってこなかった。
でも理解するやいなや、胸がバクバク鳴り出した。


今さっきやって来た3人組は、アコンカグアを登頂した。
そして今日、まさに今日、下山してそのままの足でメンドゥーサの街まで帰って来たという。
山の麓から市内まではバスで約2時間。
さっき着いたとしても、今日の昼過ぎまでは山に居たわけだ。
一番彼らの近くに居た人達が、今目の前にいる。
私は恥も捨ててすがりつくように質問攻めに入った。

下山には約二日ほどかかったという。
けれどその間1人も日本人とはすれ違わなかったし、
山頂でも、登る過程でも、一人も見かけなかったという。




なんで?
それってどういうこと?
啓陽達がもう降りてきちゃったとしたら、メンドゥーサのどこかの宿に居るわけで、
そしたら必ず連絡は来るはずだ。
だから既に降りてるって案は却下。

私は取り乱すのを必死にこらえて極力冷静に努めるが、
もうバレバレだった。

一人の男性が言った。

「でも、僕達は山岳部で、ノーマルルートとは別のルートで登ったんで、
 すれ違わなかったんだと思います。
 一般の人はノーマルルートを登るはずですから」

もう一人の男性がかさねるように言う。

「たしか早稲田の山岳部はノーマルルートで登ってるはずなんで、
 もしかしたら彼氏さん達に会ってるかもしれませんね。
 知り合いがいるんで、ちょっと連絡取ってみますね。
 たしか今日帰国だったはずなんで、、、」


そう、今目の前にいる3人組は、京都の大学の山岳部。
このアコンカグア登頂を目指して、二年間特訓をしてきた立派な山男だ。
しかも、部員全員が登れるわけではなく、
厳選なる選抜を経て、晴れてこの3人が、部の代表としてこうして来ることができた。
プレッシャーもあっただろう。
旅費はOBからのカンパや、部員から集めてまかなったという。
無事登頂を成功させて、すごくいい顔をしている。

でもさっき宿に着いたばかりだ。
さすがにまだ疲れも存分に残っているだろうに、
切羽詰まった三十路女から質問攻めにされて、
今思えばほんとに気の毒なことをしたと思う。
ごめんね。



早稲田の山岳部の知り合いにメールを打ってくれている間、
何かの線が切れてしまい、
私はわぁっと泣き崩れてしまった。
ツーちゃんが寄り添ってくれた。









まったくもって、へなちょこだ。









別に今思えば、お先真っ暗みたいな状況でもないくせにね。







「山に登る前、必ず管理局で名前とか住所とか、泊まってる宿とか登録するんですよ。
 町のインフォメーションセンターの中に管理局はあるんで、
 もしあれだったら明日行ってみるのもいいかもしれませんね。」




優しい山岳部の男の子達はそう言ってくれた。
ちょっとだけ光が差し込んだ気がした。
そこに行けば、いつ出発して、どこに泊まってたのかがわかる。
それだけでもいい、彼らに関する情報なら何でも欲しかった。




人間って心配ごとが一つでも引っ掛かってると、
やっぱり熟睡できないもんなんで。
あんなに楽しんでたブエノスでも、いつも眠りが浅く、
早朝に目覚めてしまっていた。
今夜も眠れそうにないなぁ。
それに今日は、3月11日。
あれから丸一年だ。
日本時間で言えばもう昨日になってしまうけど、
きっと日本じゅう全ての人が、被災地で過ごす人々のことを想って、
やりきれないような気持ちを抱いたに違いない。

外に出てきて、この一年の過程を近くで見てこなかった私は、
日本で過ごす人よりも、全然知っていることが少ないと思う。
それでも出会う外国人に、『TSUNAMI』という世界共通語を使って質問される事は多かった。

「日本はどうだ?」

知ってる限りの知識で私なりに伝えてきたけど、
原子力だったり、放射能だったり、日本語でさえ説明が難しい内容を、
英語で伝えるにはあまりにも私の語彙力が足りず、
いつも歯痒い思いをしてきたのも事実。





東京で建築や内装の仕事をしている友達がいる。
彼は頻繁に被災地に通い、今でもまだ転がっている壊れた家や車、
船の撤去作業をしている。

さらに彼は、子供達のために遊び場を造ることに奔走している。
放射能の影響で、外で自由に遊び回れない子供達のことを想って、
子供達が喜びそうな海賊船を造ったり、
数々のイベントを仕掛けている。

そんな彼の動向をfacebookで垣間見る度に、
同じ故郷、同じ学び舎で10代を過ごした人間が、
言葉だけじゃなく、実際に行動を起こして、人も動かして、
なんとか少しでも明るい未来を築こうと努力しているのに、
私って人間は、本当にこれっぽっちも誰かの役に立てていないような気がして、
立ち止まってしまう。

この旅は、その手段をみつけるための道なのかもしれない。
誰かの役に立つ事をして、命を使いたい。












翌朝さっそく登山管理局に出向いてみる。




RIMG0079.jpg




二週間ほど前に登山登録した日本人がいないか聞いてみると、
スタッフのお兄さんは調べてくれて、

「あぁ、彼らに許可証取ったのは僕だよ!
 覚えてるよ、一人背が高い二人組だろ?」

「そうそうそうそう!その二人!」

名前を再確認して、
確かに啓陽と愛二はここで登録していったことが判明した。
けれど宿の情報だけは無かった。

「あの、、数日前にスペイン人の登山者が山で亡くなったって聞いたんだけど、、」

「え!?なんだって?そんな話は聞いてないぞ」

そう言ってお兄さんは同僚のスタッフに確認している。
そして戻ってきた。

「いや、そんな事実はない。きっとデマだよ。
 今年に入ってから、死者は一人も出ていないよ」

なんてこった。
宿のオジサンと息子はどこでそんなデマを拾ってきたんだよ。
いい迷惑だったよ!




「でも、そんなに心配なら、ベースキャンプに確認してみようか?」

そう言ってお兄さんは電話をかけてくれた。
何が起こっているのか最初はわからなかったけど、
要は「安否確認」なるものを頼んでしまったらしい。

「一時間後に結果がわかるから、また時間見計らってここに来てよ!」






その間私達は、お兄さんから山の仕組みについて教えてもらった。
一体どこをどう登って行ってるのか、
昨夜の山岳部達の話を聞いてもイマイチぴんと来なかったけど、
地図で示してくれて、やっと概要が掴めた。

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少し外で時間を潰して、きっかり一時間後に戻ってみると、
笑顔のお兄さんがいた。

「彼らはもう下山しているってさ!予定通りいけば、今夜には街に戻ってくるはずだ。」

「え、ええええ、、、、」

「良かったね、君達の友達は “無事” さ!」




ふえぇぇぇぇぇ、、、
言葉にならない言葉が出てきた。

良かった、、、ほんとに良かった、、、生きてる、、、





彼らは生きてる!!!!!





へなへなと力が抜けて、
でも心底安心して、しばらく席から立てなかった。







お兄さんに深く深く御礼をして、
すっかり元気を取り戻した私達は、
戻って来た彼らをたくさんのご馳走で出迎えようと、
食材の買い出しに出た。

宿に戻ると、山岳部の男の子達がテントやら道具やらを天日干ししていた。
その量や内容に、ビックリした。
こんなに山に持っていくもんなの!?




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ちょうど昼食にと作ったシチューがたくさんだったので、
彼らとシェアして一緒に食べた。

「う、、、うまいっす、、、」

「こんな美味い飯、ほんと久々食べたっす、、、」

そんなに感動されるほどの物じゃないのに、
よっぽど山の上での食事はひもじいものなんだろう。

「そうそう、安否確認してもらったら、もう下山してるってさ!」

「それは良かったですね!!!」





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山に関して無知な私に、
嫌な顔ひとつせず丁寧に教えてくれた山岳部くん達。
登頂の写真を見せてもらったりしながら、山の話を聞く。

こんな無茶ぶり質問をした。

「どうして山に登るの?」

すると意外な答えが返ってきた。

「ん~。どうしてですかね。
 じゃあ、どうして旅をするんですか?それと同じなような気がします」




ハッキリ言葉にできないけど、
すごくわかった気がする。






きっともう街に帰っている頃かな。
明日には会える。。。
会えるんだ!!


今夜はゆっくり寝れそうだ。



上野山荘days

Posted by junko on 24.2012 アルゼンチン Argentina   0 comments   0 trackback


なんだかちょっと前のフジ月9にありそうなタイトルで、
今日は始めようかと思うのでありんす。



当初、一週間くらいの滞在予定で訪れたここブエノスアイレスの上野山荘。
同じ時期に集まった心のキレイなメンツのおかげで、
ものすごく快適な居心地を頂きました。
その結果、まさかの11泊もしてしまうことに。

ここで奇跡的に出会ったのも何かの縁。
日本に帰る人、まだ旅を続ける人、色々いるけれど、
いつかまたどこかで会えることを願って、
別れの言葉はいつもこれ。



「じゃあ、また!」







恒例になってきたお見送り撮影。
この日は、ユミちゃんにいつも甘えてばかりだった大学生、
おっくんが旅立つ時。



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聞いてビックリの秀才大学に通うこの甘えん坊は、
ほわんとしたイジられキャラ。
でも優しくて、可愛くて、ほんとに憎めないヤツ。





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行ってらっさい!






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エリツィンはパタゴニア、ウシュワイアへと。
気をつけて行ってらっさい!






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トゥルーチャ、お部屋に入ると怒られちゃうよー





念願の、ユミちゃんとのサシ女子会も実現して、、



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お洒落地区パレルモは、
散歩するだけで女の子ゴコロくすぐる所♡





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ねえねぇ、このお店可愛くない?





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このテーブルに描かれたデザイン、すっごい可愛いー♡





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ていうかすごいツボ、、、めちゃくちゃかわいい。





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女子高生の靴下が赤って、オシャレすぎるよ♡
これほんとかわいーと思う。





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「VIVO HOY=今日を生きる」はい!





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そしてっ、楽しみにしていたランチの時間。
本でチェックしておいたお目当てのお店は残念ながらもう無くて、
その変わり偶然みつけた良さげなお店に入ってみました。





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店内もオシャレだし、野菜はオーガニックって書いてるし、
うんうん、期待できそう♬




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まずは手作りパンをディップに付けて頂く。
ニンジンのピューレで作ったディップ美味しいよ~。
それに、この器がなんとも味があっていい♡




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ドリンクはリンゴジュース。
ちょっとミントが効いてて、濃厚で、おいしっ。




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前菜のサラダ。体が喜んでるよー。
赤ビーツって日本じゃあんま食べないけど、
カナダ、ヨーロッパ、そして南米と、頻繁に出会う野菜。





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メインのミラネッサ(薄いカツレツみたい。写ってないケド)と、
シャンピニオンのソテー。
きのこ大好きスキ。




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もう幸せ過ぎるでありんす。





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シメのデザートでもう大満足。
誰?温かいリンゴのタルトと冷たいバニラアイスクリームを
一緒に食べるっていう神業を生み出したのは。




やっぱさ、、、ホラ、自称ビンボー旅人としては、
外食、しかもカフェランチなんてもっての他だから、
こんな体験は今旅、初なわけざんしょ。

今頃山の上で限りある食材を細々と食べているであろう啓陽のことを考えると、
それはそれは胸が苦しくなってしまうので、
そんな考えは吹き飛ばし、目の前のユミちゃんをみつめたというわけ。




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サシってことで、ユミちゃんとは深い話ができて、
女の子の心くすぐる散歩&ランチを一緒に堪能して、
ほんっとに幸せな時間でした。
こんな幼顔の可愛い顔して私よりちょびっとだけお姉さんのユミちゃん。
将来は京都に住みたいって。
是非実現してほしいな!
そしたらいっぱい京都遊びに行くからね♬






パレルモ地区を歩くと、初めてブエノスアイレスの町に足を踏み入れた日、
レティーロ駅近くのスラム街を見て愕然としたのが嘘のよう。
同じ一つの街とは思えないほどの、貧富の差。
いや、これくらいの貧富の差がある街なんて、
世界中たっくさんあるんだろうけど、
あのレティーロはブエノスアイレスに育ち住んでいる人でさえ、
危険だからとあまり近寄らないエリアだという。

日本はスラム街って無いから、
やっぱ慣れてないんだろうな。そういうのに。
戸惑っちゃうんだろうな。


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そして、長かった上野山荘での日々についに終わりを告げる日が。
啓陽たちが山に登り始めたのは2月29日。
登山は約二週間だということは聞いていた。
降りて来る前には、登山の基点となる街メンドゥーサに入っておきたかった私は、
3月10日にブエノスを離れることにした。

ちょうどその日は、同じ宿に泊まるセキちゃんという女の子の誕生日。
彼女は料理人を目指しながら、
世界を旅していろんな食に出会っている。
誰かが誕生日を迎えるのに、
祝うことをしないなんて、上野山荘では有り得ないっしょ。

ついに私も上野山荘卒業ということで、
ユミちゃんが、セキちゃんの誕生会に便乗して、
送別会と称して寿司パーティーを開いてくれた。





事前に用意しておいてくれた海苔(ここでは超高級品!)や、
もともと宿に備わっていた巻きすを使って、
巻き寿司を作ってくれた。
しかも、たーーーーーーっくさん!!!


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私、卵焼きを上手に作れる人って尊敬しちゃう。




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セキちゃんには、内緒で用意したケーキでさぷらーいず!
「将来ぜったい自分の店持つんで、食べに来て下さい!」
そう強く言ってくれたセキちゃん。心から応援してます。





そうそう、このケーキには実はエピソードがあって。
たまたま見つけたケーキ屋さんで、
一番美味しそうなケーキがこのアップルパイだった。
セキちゃんには内緒で買ったから、バレないように冷蔵庫の奥へしまう。

巻き寿司の用意が一通り終わった頃、
セキちゃんがリンゴを持ち出してきた。
何をするんだろうって見てたけど、なんか不吉な予感がして聞いてみる。

「セキちゃん、何作るの?」

「あ、アップルパイです!今日わたし誕生日なんで、
 自分にケーキ作ろうかなって。あはは。」



いやいやいやいや、あははじゃないし!
てか君のためにアップルパイ買ってきてるし!
てか自分で自分に作るとかって、最強だし!

さーどうする。
だって理由もナシに「それ作るのやめて?」って言えないしょ。

機転を効かせてユミちゃんが、

「あ、ケーキならあるよ、ジュンコ行っちゃうからさぁ」

と、それとなく私のためのケーキってことにして、
とりあえず今夜ケーキはあるから大丈夫だよ、的な感じで、
ゴリ押しを通した。


そこに来て、みんながテーブルについてからのバースデーソング。
からのー、用意しといたアップルパイ登場。
まさか自分のためとは思っていなかったセキちゃんは、
ものすごーくビックリして、ものすごーく喜んでくれました。




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夜行バスに乗るため、
午後7時くらいに宿を出る。
そのため、みんな今夜は早めの晩ご飯に付き合ってくれた。
いつもなら8時くらいに食べるのに、、、

最後の最後まであったかかった上野山荘。
ついに自分が見送られる番になって、
あー、行く側ってこんな気持ちなんだって。
わかった。
すごく背中押される感じがして、
進んでこう!って思えた。





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みんな本当にありがとう。






ユミちゃんは、「バスん中で夜食にお食べ」と、
巻き寿司を少し持たせてくれた。
そして、長距離バスターミナルまで市バスで向かう私を、
バス停まで見送ってくれた。

バス停に着くよりも前に目的のバスがまさにこっちに向かってきてる。
私達は駆け足で向かった。
ギリギリ私はバスに間に合い、
ユミちゃんにお別れの言葉もゆっくり伝えられないまま、バスに乗り込む。

バタバタと小銭を払い、窓の外を振り返ると、
ちっちゃな体全身でぴょんぴょん跳ねながら、
両手で大きくバイバイしてくれてるユミちゃんの姿が見えた。

こんな風に一生懸命見送られるのなんて、いつぶりかな?
涙腺が緩みそうになるのをこらえて、
私も車内からおもいっきり手を振った。





ユミちゃん本当にありがとう。
寂しくなるかもしれなかった上野山荘daysがこんなにも温かいものになったのは、
貴女を初め、ここで出会った仲間のおかげです。

みんな、いつかまた会おうーね!




ライオンハート♡

Posted by junko on 23.2012 アルゼンチン Argentina   0 comments   0 trackback


2012年3月6日

わたし、正直言って動物園ってそーんなにそんなに、好きな方ではない。
北海道民のくせしてかの有名な旭山動物園には行ったこともない。
(旭川には行ったくせして)

好きじゃないっていうよりは、
あんまり興味を持たないっていうか。

だから最初に、情報ノートに動物園のことが書いてあるのを読んでも、
特にアンテナは反応しなかった。
そう、コンちゃんに絶賛されるまでは。



「あそこホンマ楽しいですよ。
 小トラと小犬が絡み合ってんのとかもうめちゃくちゃ可愛いんですって」



それでも、その動物園に行くにはブエノス市内から片道3時間近くかかるらしいし、
ってことは往復6時間?
一日がかりのショートトリップだ。
それに、何より値段がお高い。
100ペソって、、、20US$!!
入園料にしては高いでしょう。

そんな理由もあって踏ん切りが付かないでいたところに、
当日行って戻って来たばかりの人達の興奮度に、
背中を押された。
二人とももう大満足の顔で、

「ぜっっっっったい、行くべき!!!」




そうアツく私に熱弁をふるってくれた早稲田生くん。
大学の卒業旅行で弾丸旅をしている。
広告業界への内定もgetし、最後の学生自由時間を満喫していた。
実はこの子にも私は助けられている。
というのは、さかのぼってまたもや弓場での日々。
突然愛するmacbookの充電器が逝ってしまったのだ。

充電器が壊れるというのは、PCにとっては致命的。
PCなんて電池が切れたらただの重しでしかない。
しかも弓場農場のあるミランドポリスという町に、
アップルストアなんかあるわけもなく。
ちっちゃな電器店などにもアップル製品なんて売ってない。

さぁどうする。
パソコンが使えないなんてーーー。

だが幸い弓場ではmacユーザーのタクヤ君が居て、
これまた幸いなことに充電する部分が同じ型だった。
親切な彼はいつでも快く充電器を貸してくれて、
弓場では不自由なくPCが使えたわけだ。

でもリオ、サンパウロ、クリチバではほぼPCは使えない状況。
その後ポルトアレグレの宿でmacユーザーをみつけ、
充電器を貸してもらいつつ生き延びていた。

そしてここブエノスアイレスではまたタクヤ君に借りながら、
なんとかしのいできたわけだが、
そんなタクヤ君ももう居ない。

いよいよ充電器を買う必要がある。





偶然、その早稲田生くんも私と同じ状況であることを知った。
彼の場合、充電器を盗まれてしまったわけだが。
とにかく私達はアップル製品を売っている店を探す必要があった。

或る日早稲田生くんは言った。

「みつけましたよ!!!
 しかも正規の値段よりかなり安くしてくれるとこ!!」

アルゼンチンは国の政策上、アップル製品の販売をかなり減らしているらしく、
その結果アップルストアという正規店で買うと、
ものすごーーーーーく、高い値段になってしまう。
アメリカや日本で買う場合の2倍近くにもなるほど。

でも彼がみつけてきてくれた店は、
ブエノスの秋葉原みたいな電化製品店街の中の小さな店。
しかも何の因果か、店員は日本語が喋れた。

私は彼についていって、めでたく新しい充電器を手に入れることができた。
日本で買うよりも25%くらい上乗せした額だけど、
正規の額よりはかなり安くついた方だ。

というわけで無事にPCライフを取り戻した私。
早稲田生くんが居なかったら、大人しく正規店で買っていたであろう。






そんな早稲田生くんが絶賛している。

「もうあれは絶対行くべきです!」

そんなに満足するぐらい、面白い動物園ってどんなとこ?
かるーく話は聞いていた。
どうやらそこでは動物にじかに触ることができるらしい。
いやいや、そんなん旭山でもできるっしょ。
しかし大きく違うのは、その触れる動物の「種類」だった。






なんと、ここルハン動物園では、
「ライオン」に触れるらしい。。。






百獣の王ライオンに触れるってどういうこと?
彼らの写真を見せてもらって、実際触っている彼らの笑顔を見ても、
いまいち現実味が帯びなかった。

ライオンて、触れんの?






で、行ったわけです。
しかもその日はなぜか動物園に行きたいメンツがたくさんいて、
総勢7名という大所帯で向かいました。

バスで3時間もかけてやっと辿り着いたのは、
高速道路が上に走る、だだっぴろい敷地。
人通りも少なく、一体ぜんたい動物園なんてどこにあるの?
てかほんとにここにあんの?

ほどなくしてかぼそい看板を見つけた。

『ZOO Lujan』

その入り口をくぐり抜けた瞬間、
私達はルハンマジックにかかってしまったのだった。




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まず入って早々、ちっちゃな檻とも言えぬ柵の中に、
トラの赤ちゃんと生まれたばかりの子犬が群がっているのをみつける。

「きゃーーーーーーー!!!かわいい~~~~~~~」

みんな一斉に近寄る。
するとスタッフらしき女性が、ほいっとトラの赤ちゃんを持ち上げて、
私達に順々に抱っこするように促してきた。




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可愛過ぎる、、、連れて帰ってもいいですか





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にゃーーーーーー




可愛いお出迎えを受け、一気にテンションが上がった私達は、
ずんずんと先へ進む。

今度は完全にスタッフと思われるお兄さんが手招いている。
なんだなんだと皆で近寄ってみると、、、

今度はライオンの子供だ!




子供と言っても、それなりに大きくなっている。
各自荷物を置くように指示され、恐る恐る檻の中に入る。
もう子ライオンはすぐ目の前にいる。





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「よぉオマエ、いっちょいいとこ見せたれや」





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そう、こうやって掌にミルクを垂らし、
その掌を子ライオンがペロペロ舐めるんですよ!




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この舌の感触がなんとも言えぬもので、、、





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こんなに近寄っても全然平気なの。
「ちょっと姉ちゃん顔近いって」





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「まーだ写真撮るんかいな。まぁミルクくれんならええけどな」





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「ぷはーっ飲んだー腹きつー」





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「あ~眠たくなっちまった、、」




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「姉ちゃん、もう寝るからはよ帰ってや」





すごいでしょう?
すごいんです!
子ライオンにミルクを手飲みさせちゃうなんて!!!




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「僕にはミルクくれないの?」




次に出会ったのは、ライオンの赤ちゃん。
それこそ生まれたばかりのち~さい赤ちゃん。
これがまた悶絶するほどの可愛さで、
みんなもう虜になりましたよ。




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「おっす」




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「いぇーいチュウされたもんねー」




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「どうよ、うらやましいだろ」




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「えっと、女の子に抱っこされたいんだけど、、」




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「だからさー、男はええってば」




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「ふぃ~。なんか疲れたよ」




可愛くて可愛くて、
もうみんな、早く自分の手で抱っこしたくてソワソワ。
子猫っぽいんだけど、でもやっぱ顔は違くて。
いやもうほんとーに、可愛いーの♡



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そしてついに、私はここで浮気してしまうことになる。
ごめん、啓陽、、、







この男に惚れた。







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なんなんしょ、この凛とした佇まい。
お美しい毛並み。
そして一点をみつめる瞳(その先には生肉が)



もうわたくしは、貴方様から目を離すことができませんでした。
そう、寄り添っているだけで幸せ。
なのに神様はなんとお心の広いお方。
貴方様にミルクを飲んで頂くお手伝いまでさせていただき、、、




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このうえない喜びでした。
もちろんこの喜びをわたくし1人だけが独占するわけにはいきませぬ。
嫉妬心を隠しながらも、仲間と幸せを分かち合ったわけでございます。





そこで一句詠ませていただきます。





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「おなごなら 一度は添いたい あなたの背」





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『百獣の王』と呼ばれる所以が、ちょっとだけわかったような気がした。
それぐらい彼の存在感は、みんなの心を鷲掴みにした。



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「なんだよ、ライオンばっかモテてよぉ」





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その後も、ゾウさんに餌をあげてみたり。




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ラクダに乗ってみたり。




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大人トラにミルクをあげてみたり。




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さすがにクマは躾も難しいのか、柵を越えて触れることはできなかった。





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こんな子もいたねぇ。




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大満喫した帰り際、
やっぱりまたあのトラの赤ちゃんと子犬のコーナーに行き、
可愛い寝顔に後ろ髪ひかれる思いで動物園を後にした。




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もう子トラも子犬もどっちも可愛い!




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そう、何故この動物園では、檻の中に入り、
トラやライオンに触れるなんていう大それたことができるのかというと。
それには、ちょこちょこ登場してくる「犬」がキーとなる。

ライオンやトラは、生まれるとすぐに子犬と共に育てられる。
もともと人間に従順な犬の素質を使って、
ライオンやトラに、「自分は犬だ」と思わせる戦法らしい。
動物本来の本能を失わせると言ってしまえば哀しいことだし、
動物愛護団体などから絶対批判を受けるような行動だろうが、
どうやらそうやって人間の言う事をきかせているらしい。


まぁ、あくまでも噂だが。





けれど、百獣の王に惚れたこの想いは真のもの。
一番好きな動物は何?って聞かれたら、
間違いなく答えはこれ。




「ライオン!」




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プロフィール

junko

Author:junko
北の大地でお魚食べて育った少女が、
世界へ旅に出ます。

写真が好き。
でも人はもっと好き。

まだ見ぬ出会いを、笑顔を、そして
感動を求めて。

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