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あるがまま家族

Posted by junko on 18.2011 ベルギー Belgium   0 comments   0 trackback

2010年11月13日。
雨のブリュッセルへ戻って来た。
目的はただひとつ、
フランソワとの再会だ。




あらかじめメールで教えてもらった住所を頼りに、
観光地ではない住宅街へと。
とはいってもさすがヨーロッパ、
どんな街さえ絵になるものだ。


ドアを叩く。


「へーい!」


笑顔のフランソワが迎え入れてくれた。
ほんっとーに、来ちゃいましたよ?
お世話んなりますっ。

天井の高いリビングルーム。
キッチンとそのまま繋がっていて、とにかく広い!
コーナーにはしっかりと、重厚なピアノがそこに。

大きな窓から差し込む光が部屋を明るく照らしている。
その窓辺に、髪の長い女性が小さな子供を抱っこして、
窓に何か指で描いて遊んでいる。
あぁ、微笑ましい母子の絵。
後ろ姿だったので、顔は見えなかったが、
その佇まいはとても若く、
内心、

「フランソワめ、かなり若い奥さんgetしたな」

と冷やかしの心が芽生えた瞬間、
その女性が振り返った。



わ、若い!!!
でもなんだかとても雰囲気のある女の人だな。。
いやいや、それにしても若すぎやしないかフランソワ!?



「紹介するよ、ジュンコ。
 これが娘のアイナとフラワーだ。」



あ、娘ねー!良かったぁ、、
勝手に想像して勝手に安心する私。
でもそんな風に勘違いしてしまうほど、
彼女は大人びた表情をしていた。
そして決して外交的ではない挨拶をすると、
何やらフランス語でフランソワに話しかけている。
呆気に取られている私に興味を示したのは、
二歳になったばかりのフラワーだった。
フランス語は全く解せないという日本人相手なのに、
かまわずどんどん話しかけてきては、一人で笑ったりはしゃいでいる。

アイナは何かを納得すると、
すぐにフラワーの遊び相手に戻った。

彼女のその『外交的ではない』挨拶は、
決して不快な思いを抱くものではなく、
彼女が持つ『影』を感じさせるもので、
何故か心が惹きつけられた。



初めてフランソワに会って喫茶店でお茶した時に、
彼には養女がいるという話を聞いていた。
その養女、つまりアイナは、奥さんであるネルが育てていた娘であり、
けれどネルの実の娘ではなく、
ネルにとっても養女であった。
つまりフランソワは、ネルと結婚した時からアイナの父となり、
その数年後に二人の実の娘、フラワーを授かった。
ということは、この家族構成の中で、
アイナだけ血縁関係は無いということにある。
まぁもちろん夫婦間にも血縁関係はないのだが。



フランソワとの会話を超快速で脳に呼び起こさせ、
いろいろ納得していると、フランソワが言った。

「ジュンコ、ティータイムにしよう」

可愛い木のテーブルに、
何気なく置かれたチョコレートとバニラクリーム。
彼らは、チョコレートにそのクリームをちょこっと付けて食べている。
ピンでも十分美味しいはずなのに、そのコンビ!?
やばいよーーーーーー!

「僕はこのチョコレートが世界で一番だと思ってる」

そうフランソワが言い切るチョコとは、
これだ。

ベルギーが世界に誇るコートドール



このねぇ、オールブラック包装のビターチョコがねぇ、
最高に美味なんですね。
この彼の一言はそのまま私の脳裏に焼き付き、
自動的に私もそう思っている。
あー、日本でも食べれるかなぁ。
こういうサイトがあるってことは、きっと食べれるよねっ。



目の前でフランソワとアイナが話すフランス語は、
なんていうか、今まで観てきた数々のフランス映画に出てくる会話シーンを
私に連想させた。
決して大きくはない声で、むしろ少しボソボソっとした感じで、
ちょっと早口で、たまにチョコレートを挟みながら、
いやもうそれだけで絵になるんです。
ドキドキしている私の横で、相変わらずフラワーは一人遊びしている。
この子もすごい。
何がすごいって、表情がすごい。
将来舞台女優にでもなったら大成するんじゃないかと思わせるような、
肝の座った表情をするのだ。
たった二歳にしてこの貫禄。
この子はすごい、大物になる気がする。



そうこうしているうちに、奥さんのネルが帰って来た。
フランソワより少し年上のネルは、
人生経験が豊富なイメージを持たせる大人の女性だった。
心理カウンセラーの資格を取ったばかりという彼女、
少しずつ少しずつ、仕事を増やしているところだという。
一緒にお茶を飲みながら、私は今まで訪れた国の話なんかをした。
気づくとアイナは席から外れていた。
そう、彼女は英語が喋れなかった。


こんな異国の人間を好意で家に招き入れてくれたというのに、
フランス語が喋れないために娘との会話を中断させてしまった。
なんだか私はどうしようもない気持になったが、
そうなったところでどうしようもない。
来てしまったものは仕方ない。
荷物だってほどいてしまった。


そんな風にして図々しくも私はベルギーで、
そこに生活する一家の生活を垣間見ることになった。








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ハロウィンの時に作ったんだって




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ただのハーブさえも、何故こうも絵になってしまうのだろう




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この陶器もすんごく可愛いしっ




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お料理はほとんどフランソワが。得意だし好きなんだって。








考えてもみてほしい。
例えば仕事場で、学校で、公園で、どこだっていい。
貧乏くさい異国の旅人に出会ったとしよう。
彼もしくは彼女を、すぐに家に招き入れることができるだろうか?
たった数分、その人物と話をして、
まぁそんなに悪い人ではなさそうだ、という認識を持ったとしても、
相手は今日出会ったばかりの、素性の知らない外国人。
さらに自分の家には小さな子供がいたとして。
果たして起こり得ることだろうか、我が国ニッポンで?


まぁ今回の場合、数日のブランクはあった。
その間にフランソワは奥さんであるネルに相談をしたはず。
二人の間でどんな会話があったかはわからないが、
ネルの感触からしても、彼が大きな反対を押し切ったとは思えない。


それにしてもだ。





この幸運が、どうやって我が身に降りかかったのかを考えてみる。
まず一つ目に、フランソワが旅人としての経験があったこと。
その道中、過酷な日々も送ったことだろう。
バケーションではない、旅だから。
その中できっと彼もたくさんの人に助けられたはずだ。
本当に旅をすると、人から助けられることの多さに感動してしまう。
だからきっと彼は、その恩を、
こうしてまた違う旅人を助けることで、返してるんじゃないだろうか。

二つ目には、これは自信過剰かもしれないが、
いやきっとそうでもない。
私が、『日本人』だから。
日本人であるというだけで授かった恩恵は数知れない。
まず物を盗むとか、何か悪さするんじゃないかとか、
そういう疑いの目を向けられない。
『日本人』であるだけで、ある程度の安心感を与えている。
ような気がする。
もちろんそれは、先人達が築き上げた誇り高き日本のイメージ。
私の力じゃない。
だけど私は、先人達に感謝しながら、それを次の世代へと受け継いでいく義務がある。
だから決して日本人として恥ずべき行為を取っちゃいけない。
どの国でもそう。

そして三つ目には、彼らが持つ外国人に対するオープンマインド。
見えない国境に挟まれて、
小さな頃から自分と同じ国籍ではない人々に触れて育つ。
日本は海という大きく深い国境に隔たれているせいで、
『外国人』という区分けがハッキリしている。
ヨーロッパでは国際結婚なんて言葉は無いんじゃないだろうか。
フランソワとネルにしたって、
片方はフランス生まれ、片方はロシア生まれなのだから。
それに、誰かを家に招き入れるからといって、
特に部屋を片付けたり、おもてなしするための用意をするわけじゃない。
実際私が訪れた日も、
家の中は彼らの私物が散乱している状態。
でもそれは決して汚いとかじゃなく、
逆にお世話になるこちらの緊張をほぐしてくれる。
あるがままを見せてくれるから、こちらもあるがままでいられる。
もちろん日本人の『おもてなし精神』は、素晴らしいもの。
お客さんに心地良く過ごしてもらえるように、
部屋をキレイにしたり、特別な料理を作ったり、
そういうホスピタリティーは無くしちゃいけないと思う。
だから、どっちが良い悪いじゃなく、
もともと持っているマインドの違いとでも言おうか。






当たり前じゃないのに当たり前のように食事を振る舞われ、
温かいベッドを授かって、
私はただただ、
「ありがとう」と伝えることしかできなかった。
それ以外に何ができるだろう?





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奥さんのネル。誰のために編んでるのかな。




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二人の共通の友達の家へ一緒に招かれ、ランチをご馳走に。
ここでも『あるがまま』マインドは強く感じられた。




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お味噌汁じゃないよ、パンプキンスープだよ。




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最終日の夜、
嬉しいことが二つ起こった。

まずは、アイナとコミュニケーションを取れたこと。
ネルと同じくアイナも編み物をしていた。
どうやらマフラーを編んでるらしい。
もしかしたら母子の間で交換したりするのかな?
だったら素敵。
その編みかけのマフラーの色がとてもキレイで、
私は持ってる限りのボキャブラリーでその意思をアイナに伝えると、
寡黙だった彼女が、ふっと笑ってくれた。
そして小さな声で、照れくさそうに、「ありがとう」って言ってくれた。
ネルがアイナと話す時の愛情に満ちあふれた顔、
あれはまさしく母親だ。
世界にはいろんな形の家族があるってことを、
実例をもって教えてくれた機会だった。

そして二つめ。
これには思わず声を上げて喜んでしまったのが、
ネルのおなかに赤ちゃんを授かったという報告だった。
何度かの検診を経て、明確になったという嬉しい知らせ。
そう伝えるフランソワは少しはにかみながら、
それでいてとても幸せそうだった。
五人家族になるんだね。
私は心からの祝福を伝えた。
旅をする中で、こうやって出会えた事だけでも奇跡なのに、
新しい命の存在に触れることができるなんて、
こんな奇跡があるんだろうか。
もう本当に、本当に嬉しかった。






フランソワ一家と出会って、いろんなことに気づかされた。
たくさんの大切なものをもらった。
やっぱりこの恩を返すには、
次、自分が逆の立場になった時、
まだ見ぬ誰かのために行動を起こすしかない。

フランソワ、ネル、アイナ、フラワー、生まれてくる赤ちゃん、
本当にありがとう。








今回写真が少ないのは、撮らなかったわけではなくて、
それが彼らの主義だから。
彼らは子供達の写真を喜んで受け取ってくれたけど、
インターネットという情報網に載せるのは避けたいと言った。
それを尊重して、今回は載せません。



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ブルージュの伝言

Posted by junko on 14.2011 ベルギー Belgium   0 comments   0 trackback

2010年11月11日、
ベルギーの水の都、ブルージュへとやってきた。
ブリュッセルから列車でわずか一時間という距離。



着いて早々に、旧市街へとくり出す。
もう日は暮れていたが、思いのほか体力は残っていたし、
ここのユースホステルがなんとも無機質というか、
つまんなかったのだ。
旅をする中で数々の宿に泊まってきたが、
たいがい「ユースホステル」と名が付くものは、
建物の規模が大きく収容人数も多いのだが、
その分キッチンが併設されていなかったり、
コモンルームはやけにでかくて逆に孤独を感じたり、
居心地が悪く、あんまり好きになれるものではなかった。
その一方で、民間経営の「ホステル」は、
それぞれの個性を打ち出していてカラーはユニーク、
だいたいキッチンや冷蔵庫が自由に使えて、
旅人にとって程よいスペースで、私はこっちを好んだ。
まぁその分選択を誤ると、ベッドバグや水シャワーなどに遭遇してしまうのだが。





宿は旧市街の外にあり、その近辺は至って”普通の街”なのだが、
旧市街へ一歩踏み入れれば、一気にそこは古都一色。


地図も持たず、気の赴くままに進んでいると、
何やらバーから音が洩れてきた。
吸い込まれるように中に入ると、
ジャズの生演奏が始まっていた。

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キールなんか飲んじゃったりしてね



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部屋でくすぶってないで、街に出てみて良かった。
すごーく素敵だった、ブルージュの初夜。



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明けて翌日。
またしても天気に恵まれないなぁ。
雨が降ると、カメラのことも気になるし、、
でもユースホステルは、11時以降追い出されるし、、
そう、こういうところもなんかやぁね。
とにかく外に出るしかないっ。



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家々のドアが可愛くてー。



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いや別にドアフェチってわけじゃないんすけどね、、




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ここのチョコレート屋さんは日本人贔屓ですね。
ご丁寧に日本語表記まで、、
ま、買いましたけどねもちろん。



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お洒落ホテルのテラス



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ここブルージュにはそれはそれは可愛らしいホテルがたくさんあって。
玄関前を通ると、中で煌煌と光る暖炉の灯が見えて、
あー、きっとこの暖炉の前で温かいココアとか飲んだら、
どんなに美味しいんだろーなー、とか。
こんな素敵なホテルに泊まったら、一体どんな気持になるんだろうとか。
そんなこと考えながらも、帰るのは無機質なユースホステル。
なんか、、
自分で選んだ道だし、これが私の旅のやり方だし、
何言ったって仕方ないんだけど。



でも大事なのは、
どんな感覚で旅を体験しているか。
前向きに貪欲に、旅を利用することで、
自分をもっともっと、でっかい人間にしたい。
そんな目的においては、宿はただの「箱」でしかない。




世界中どこでも映画がキーになる

Posted by junko on 12.2011 ベルギー Belgium   0 comments   0 trackback

2010年11月8日。
ベルギーの首都、ブリュッセルにやってきた。




それにしても天気のぐずつく日が続きます。

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こんな日は明るいうちから飲むしかない。
だってビールが激安にして激旨。

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ベルギービールって、炭酸抑えめで味にコクがあって、
とっても飲みやすい。
今まで知らなかったけど、世界には旨いビールがたーくさん、あるね。






さてここで問題です。

「ベルギーといえば、◯◯◯」

この◯に入る言葉はなんでっしゃろ?




色々ありますよね。
たとえばワッフル、
イエス。


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裏切らない美味しさ、外サクサク中モチモチ♡





たとえばチョコレート、
イエス。


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いい加減私のチョコレートネタも飽きましたでしょうからあえてノーコメントで





たとえば小便小僧、
イエス。


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悪かったな、がっかりさせてよ。
オレだって世界三大がっかりなんかに登録されたくてここで小便してるわけじゃねぇよ。





たとえばなんかお洒落な石畳、
イエス。


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雨上がりだから余計に光が反射して、
ほんとに綺麗だった。




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そしてたとえば映画館、
イエス。
イエス?


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この怪しく光るシネマテックという映画館で、
私は貴重な出会いを得ることになる。




悪天候のせいであまり街観光ができないかわりに、
私は二度この映画館に足を運んだ。
というのも、一度目はお目当ての作品の上映時間に間に合わず、
たまたまその日上映されていた

『ゴッドファーザーPART1』

を観賞。
何年振りかに見るドン・コルレオーネ、
その渋さと存在感はやはりいつ観ても衰えない。
字幕はフランス語でもちろん読めるわけもないが、
大体のストーリーは覚えていたため十分に楽しめた。
それに映画館で観るゴッドファーザーというのも、
なかなかオツなもんだと思う。
映画館からの帰り道、すごく心が高揚していたように思う。



二度目は確実に上映前に着いた。
お目当てだったのは、
モノクロの無声映画に、ピアノの生演奏を付けて上映するというもの。
そんなの今まで観たことないし、
なんかすごくステキそうじゃない!?
映画館のスタッフと、「どこから来たの~?」なんて話していると、
横から会話に参加してくる男性が一人。

「この映画館はすごく老舗なんだよ」

「へ~、そうなんだ。外観はそんな感じしないけどね~」

「2009年に改築されたばかりだからね」

「そっかぁ。でもさ、どうして毎日上映する作品を変え続けることができるの?
 普通の映画館って、3~4週間は同じの上映するじゃん」

「ここは昔は映画博物館だったから、多くの作品を保管しているんだ。
 たしか6万本近く、、」

「そんなに!?」

「うん、でも昔のだけじゃなく、あるテーマを決めて数週間それに沿った上映とかも
 するけどね。イベントみたいにして。」

「この生演奏付きの映画の上映もイベントの一つなの?」

「いや、これは改築オープンしてからコンスタントに続けているものなんだ」

「あ~すごく楽しみになってきたよ!!」



そんな会話をしているとすぐに上映時間になった。
私とその男性は扉を開けて暗い劇場内に入る。
するとその男性はすたすたと前に進んでいく。
私は後ろの席の方が好きなので、そのまま座席に着いた。
すると、、、!
前進し続けるその男性はそのままスクリーン前の小さなステージに上がり、
おもむろにピアノの椅子に座った。
彼がピアノ蓋を開けると、劇場はさらに暗くなり、映画が始まった。




なんてこった!
さっきまで朗らかに会話を楽しんでいたあの人が、
ピアニストだったなんて!
特に洒落こんだ様子もなく、
至って普通の洋服で自然体そのものだったから、
まさかピアニストだなんて思いもしなかった。





驚きも束の間、ゆっくりと旋律は流れ始めた。
視界に入るモノクロ映像と、聴覚に流れてくるピアノの音色が、
なんの違和感もなく脳の中で解け合って、
私はみるみるうちにその世界の中へ惹き込まれていった。





心地の良い時間は早く過ぎていく。
けれど私は大満足だった。
たぶんニヤけていたぐらいだろう。
劇場を出ると、先ほどのピアニストの男性をみつけた。
私は心からの感動と感謝の思いを伝えた。

「ありがとう。気に入ってもらえて嬉しいよ」

「いやーほんっとに、良かった!!」

「日本にはこういうライブ演奏の映画はないの?」

「ん~、どうだろ、あるかもしれないけど私は観たことなかった。
 私が知らないだけかもしれないけど、
 でも毎週のように上映するなんていうのは無いはず!」

「そうなんだ、でも日本の映画は面白いよね」

「え!知ってるの?」

「もちろんだよ。オズにクロサワにたくさん観たよ」

(んんん、私日本人のクセして、その巨匠と呼ばれるジャンル観てないんだよなぁー。)

「いやー、日本人として嬉しいわ!」←私が言えたくちじゃない

「まだ時間ある?もし良かったら珈琲でも一緒にどう?」

「あー、私ね今夜の列車でブルージュに行くんだ。」

「ブルージュに?いいねぇ、あそこは美しいよ」

「そう聞いてさー。あ、でも列車の時間までまだ余裕あるし、
 うん、珈琲一緒する!」

「近くにいい喫茶店があるんだ。そこでいいかな?」

「もちろん!」




男性の名前はフランソワといった。
名前のイメージのごとく、彼はパリ生まれのフランス人だった。
しかし数年前からここブリュッセルに移住して、
奥さんと二人の子供と一緒に暮らしている。

私がヨーロッパを半年かけて旅していることを伝えると、
すごく興味を示してくれた。
自分も昔はそういう旅をしたそうだ。
お金なんてもちろん少なくて、ヒッチハイクなんかもしたらしい。
旅人の気持が共有できたからこそなのかな、
何か自分に協力できることがあれば、といって、
こんなことを提案してくれた。

「もしブルージュからまたブリュッセルに戻って来るなら、
 うちに泊まってもらってかまわないよ。
 小さい子供もいるけども、、」

「ほんとに?」

「うん。もちろんだよ。」

正直それはとても有り難い話だった。
ベルギーの後はフランスのパリに行く予定で、
パリへ行くにはブリュッセルに戻って来るのは必須だったから。
それに宿代が浮くというのは、
旅人にとってはかなり出費を節約できる。


フランソワの人柄は、数分一緒に過ごしただけで安心できるものだと確信した。
それにあんな美しい旋律を奏でる人に悪い人はいない。
迷うことはなかった。


「ありがとう!!とっても助かるよ。
 じゃあ、ブルージュから戻って来る日が決まったら連絡するね」

「うん、わかったよ」


そう言って、互いの連絡先を交換したのだった。






  

プロフィール

junko

Author:junko
北の大地でお魚食べて育った少女が、
世界へ旅に出ます。

写真が好き。
でも人はもっと好き。

まだ見ぬ出会いを、笑顔を、そして
感動を求めて。

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