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アンダンテージョ

Posted by junko on 21.2011 ハンガリー Hungary   0 comments   0 trackback

物価の安いハンガリーは、
オペラやバレエなどの芸術観賞をするのに最適だ。
それに温泉もある。
旅人にとって、普段は制約するエンタメや癒しといったジャンルに、
ひととき手を出せる場所、とでも言おうか。



それになんたって。
サーカスがあるしね!!


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今日もユウ君と意気投合。

「サーカス観てみたい」

「オレも!」

一緒にGO。

なんとこのサーカス、かなり老舗なようで、
120年も前にオープンしたとか。
サーカスは生まれて初めての私だったので、
待ち時間たくさんのキッズに囲まれながらもワクワクしっぱなし。
だけど中身を観てみてまぁビックリ。
大人も十分楽しめちゃう質の良さ!


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音楽が生バンドってところがニクいよ


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ひとつの技が終わった後の、
ラテンのノリで踊りまくる男性を観ていただきたい。
私のツボだったから笑


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いやぁ、すごく見応えがあったな。
箱もちっちゃいから、至近距離で観れたし。
念願の初サーカス、大満足♡





街を歩いていると、シナモンのいい匂いが漂ってくる。
ホットワインだ!
その匂いにつられて進むと、小さな一角でお祭りが開かれていた。


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すると突然人々の大行列に出くわした。
なにやらクリスチャンの行事みたいで、管楽器を演奏しながら、
聖職者に続いて一般市民が後に続いて練り歩いていた。


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こういう「行き当たりばったり」が大好き。





そしてエンタメは続く。
オペレッタ劇場にて、演目は『美女と野獣』


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こんなゴージャスな劇場で格安で観れるのも、
ハンガリーだからこそ。
ありがとうハンガリーの物価。


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ハンガリー語ぜんぜんわからないけど、
「美女と野獣」のストーリーはもちろん知っているから、
まったく問題なく楽しめた。
それどころかハッピーエンドなくせに、
なぜだかすごく感動しちゃって、泣けちゃったくらいにして。



昼夜連続、生バンドのエンタメ三昧。
なんて贅沢な一日だったんだろう。
そしてあのアンダンテの夜は始まった。


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ブダペストに住む日本人学生のミサキちゃんや、
日本語を勉強するハンガリー人の女の子も集まって。


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これが噂のフォアグラどーん(蕪もあるよ)


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和に入っちゃえば最高に楽しい日本人宿。
毎日毎日、入れ替わり立ち替わりいろんな旅人と接する中で、
オーナーのヨシさんは、一体どんなことを考えるんだろう。
「宿を持つ=自分は動けない」という制限がある中で、
だけど旅人の匂いを毎日嗅ぎ、
旅人から発せられる新鮮な話を聞き、
きっと矛盾も感じるだろう。

だけどアンダンテが楽しいのは、
やっぱりヨシさんのおかげだと思う。
旅人じゃなくそこに住む日本人も、
いろんな理由でそこに定住している。
そしてアンダンテに集まる。

あの円卓を囲んで、
みんなでご飯を一緒に食べるってことが、
旅人にしても旅人じゃなくても、
外国で外人として生きる人間にとって、
あったかい時間であり、空間だ。



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ありがとうアンダンテ


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ばいばいブダペスト


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そして10月19日の深夜列車で、
私はポーランド、クラクフへと向かう。



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社会主義ってなんだ

Posted by junko on 21.2011 ハンガリー Hungary   0 comments   0 trackback
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片足が前へせり出しているなんとも不気味な長靴。
このシュールな彫刻がある場所は、
「メメントパーク」


東ヨーロッパの社会主義国の中で、いち早く西欧化していったハンガリー。
ブダペストではベルリンの壁崩壊直後に、
それまで英雄として扱われていた人物像の撤去が始まったという。
それらの銅像が集められているのが、このパーク。

「おぉ、なんだか東の歴史を感じれるんじゃないの?」

そんな興味が湧いた私。
アンダンテに泊まる世界一周旅行中のユウ君も、
どうやら同じところに興味を持った様子。

なら一緒に行きますか、と。




どれくらいの距離だったろう。
バスや電車を乗り継ぎ、
かなり市外地の奥へ奥へとやってきたような気がする。
駅を出ると、なんとも閑散とした景色。
空き地ともいえない、だだっぴろい土地が目の前に。

「ほんとにこんなとこにそんな公園あんのかね、、」

一抹の不安を抱えながらも、
ものすごい空腹の2人はまずおなかを満たしたい。
そうは言っても駅前といえどもほんとに何にもない。
あるのはそう、
旅人の頼みの綱、チャイニーズレストランだけだった。

駅に併設されたそのレストラン、
すべて灰色みたいな景色の中でただ一つ原色を放ち浮きまくっている。
客はオジサン1人だけだったが、
そのオジサンが食べてる料理がひどく美味しそうに思えて決めた。

旅の最中、「困った時にはチャイニーズ」みたいな法則が私にはある。
なぜなら絶対、味が外れないからだ。
それに、どこにでもある。
本当にそれこそ、どの国にも、どの街にも。
逆にジャパニーズレストランには絶対入らない。
下手に入っても高いだけで、
ほとんど中国人が経営してたりするからだ。
つまり本当の和食じゃない!
なんで『さくら』みたいな和風の店名の看板を堂々と掲げて、
中華料理と日本料理としまいにはタイ料理が一つのメニューに並べられなければならないのか。
私にはまったく理解できないし、
正直「なんだそれ」みたいにガッカリしたりもする。
だけどそれが現実だ。
そうして欧米人は知らず知らずのうちに中国人が作った寿司を
「wow、ジャパニーズスシ is the best」とか言っちゃうんだろう。
もう知らん。
まじめに日本でスシ職人目指して修行している人を私はただただ応援することにする。




とにかくそれで予想通りの外れない味の炒飯を食べ、
さらにバスに乗ってどんどん灰色の街を進んで行く。


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そして、着いた。




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スターリン、レーニン、毛沢東という
社会主義の代表格お三方に出迎えられて、
一体この公園の中はどんなことになっているんだろうと、
全く予想のつかない社会主義との距離を感じながら、
公園へと足を進める。





と。




いや、、とにかく、、、



すっごく、、、



でっかい!!


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もう、すべてがでかい。
横に立ってるユウ君と見比べてくださいよ。


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なんでまたこんなバカでかいサイズで作ったんだろう。
社会主義時代は、何でも大きなものに価値があるという妄想にとらわれていたのだ。きっと。



そしてそこに漂う何とも言えない寂しさ、、


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あまりの劣化に中身が曝け出ている。
よくよく見てみると、、え?スポンジ?
触って確認。
うん、これスポンジ!!


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ちゃっちぃよー中身がさー
どんだけ大きく作ったところで、所詮中身はスポンジってところが
すごく、東のにおいを感じた。
材料揃えるだけのお金なかったくせに、形だけは示したかったんだろう。



だだっぴろい公園に、ぽつんぽつんと巨大な像が佇むその、
圧倒的なまでに荒んだ寂しい雰囲気に完全にやられてしまった。
そこにきてこの重たいどんより雲。
帰りのバスの車中、なんとかこの気分から脱したくて、
ユウ君と一緒に聴いた歌が

『A・RA・SHI』

まぎれもなく、嵐のデビュー曲ですね。
あの底抜けに明るくどうしようもない歌を聴いて、
自分達を奮い立たせていた。



ユウ君の世界一周のベースにあるのは、サッカー観戦だ。
南アフリカで開催されたワールドカップを旅のスタート地点に選び、
各国、各都市でサッカー観戦。
それはやはりここブダペストでも同様で。

私は正直サッカーのこと全然知らない。
でも、今夜ブダペストのマイナーチームの試合があるって聞いて、
ユウ君はそこに行くと。
そういうの観てみるのもいいなと思って、便乗した。


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観戦する人々の風貌が、
確実に市街のそれとは異なって、
ブダペストの裏の顔というか、
まぁこれが現実なのかもしれないが、
本当の暮らしが垣間見えた気がした。


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まぁみんな飲んでましたけどね。
途中からは試合そっちのけで、飲みながらわいわい喋ってるオジサン集団。
きっと週に一度、こうやってサッカーにかこつけて、
仲間で集まってあーでもない、こーでもないと一杯やることに
意味があるんだろう。


見よ、応援団リーダーの真剣な顔!
叫び過ぎて声ほとんど出てなかったし(笑)


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ドナウ河に架かる鎖橋やブダ宮を見ながら、
観光するってどういうことなんだろうと思った。
例えばこの美しい景色にしか触れていなかったとしたら、
ブダペストはそれはそれは美しいの一言で終わってしまう。
だけど観光地から一歩外に出て、
そこに住む人のエリアに片足を突っ込んでみることで、
また違った印象を持つ。
それが顕著に感じた一日だった。



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そしてやっぱり社会主義というのは、
私の中でその全貌がつかめないまま存在する。
「ソ連っぽい」とか、「東っぽい」というのは感覚的に捉えるけども、
どこか遠くの、それこそ自分とは何ら関係のないような場所で起きている事象というか。
とにかく距離が遠いのだ。
過去そこを覆っていたという場所に立ってもなお、
その存在はただただ、遠い。



そしてそのイメージは、
いつも灰色だ。




ブダとペストでブダペスト

Posted by junko on 19.2011 ハンガリー Hungary   0 comments   0 trackback
本日空は快晴、観光日和。


実は同じ部屋に、一人だけ韓国人の女の子が泊まっていた。
ソンミンちゃんというその子は、
なんと私と同い年。
話を聞くと、この宿が日本人宿だって知らなかったから、
自分以外全員日本人というこの環境に、
ちょっとびびっているという。

当たり前だ。

もし宿で自分以外みんな韓国人で、
ハムニダ連呼されたら辛いぜ。


この旅で、韓国人しかも女の子の一人旅は多々見かけた。
みんな肌が白く美しく、さすが美肌国と感心させられる。
日差しが強い国では、
必ずといって良いほどツバの大きい女優帽みたいのを被っていて、
日焼け対策万全の彼女達。
そして驚くことに、日本語を良く知っている。
韓国では英語の他に日本語ができることが、
就職率アップに繋がるという。


もっと彼女と話がしたくなって、
今日は一緒に温泉に行く約束をした。

そう、ハンガリーはヨーロッパでも有名な温泉大国。
いくつもある温泉施設の中から、
一番温度が熱いお風呂に入れる、という理由で選んだ『ルカーチ温泉』
そこで夕方5時に待ち合わせをして、
それまでは個人で好きな観光をしようということに。

なぜ温度にこだわったかというと、
やはり温泉といえども日本のとは異なるわけで、
水着を着て入浴する、言ってみれば温水プールみたいなもの。
水温は平均35℃くらいというから、
そんなの純日本人の私には物足りないわけで。
あの、湯船に浸かった瞬間の、
「あぁぁぁー!」が恋しくて、
一番水温の熱い、それでも40℃がマックスだったけど、
そこを選んだわけだ。




早速ブダペストの街に出た。


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レトロなメトロ


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みんなと同じ格好をしていれば安心のティーネイジャー


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秋も深まってまいりました


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働くパパさんお疲れさまでーす


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僕には君しかいないんだ、わかるだろ?


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あーのどか


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あ~メールで言っちゃおうかな、どしよかな、、


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ドナドナドーナードナウ~


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昔はブダとペストの2つの都市に分かれていたというブダペスト
その二都市を繋ぐ『鎖橋』を渡り、ブダ側へ。

ソンミンと約束していたルカーチ温泉は、
パッと見は全然温泉に見えず、むしろ学校みたいな佇まい。
チケットを買い、更衣室へ向かう。
もちろん2人とも水着はビキニ。
旅に競泳水着を持ってく女性がいるならば
ラテン男でさえ落とすのが難しいガードの固さだ。


いざ浴室へ。
それぞれ温度の違う浴槽がいくつかあり、
34℃とか36℃とか、そんなんぬるくて温泉なんて呼べないやい!みたいなのに
中年男女がわんさか入っている。
ソンミンも
「わたしもあちゅいのがいい」
と言うので(「ツ」と「ズ」の発音がカワイイ韓国人)
2人で40度の浴槽に向かう。
すでに何人かの中年男女(いやほんと、若いのは自分達だけ)が
目を閉じてくつろいでいたり、
お湯の中でストレッチをしていたりする。
それにしても欧米人の腹の出方は病的だ。
メタボがどうのって比じゃないよ。

どれくらい浸かっていただろう。 
久し振りに全身がお湯に包み込まれる快感。
じわじわと汗が出てくる感じもたまらない。
やっぱ日本人、お風呂大事。



体から毒素が抜けたような爽快感の中、
これで今ビールをくいっとやったらもう何も言うことはない。
木更津キャッツアイのように

「ビール!ビール!」

とかけ声しなから走り出したい気分だが、
さすがにソンミンの手前それはやめといた。




宿に戻ると、ヨシさんのお友達が宿に遊びに来ていた。
下駄を履き甚平姿のその人は、
ブダペストでひよこを育てているという。
笑っていいのかダメなのかよくわからなかったけど、
とても人当たりの良い方だったので、
気分を害したくないなと思い、
そこはかとなく話題を変えた。

車で来ているというその人が、
私とソンミンを夜景スポットに連れて行ってくれるという。
アンダンテで仕事のお手伝いをしているコンちゃんや、
他の日本人旅人の女の子も一緒に行くことになり、
夜のドライブへ。



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ゲッレールトの丘から見下ろすドナウ側や鎖橋


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ブダペストに行った人ならだいたい知ってる、葉っぱどーん!の人




車内では、私の知らないアニソンが流れていた。





豚丼といえばロースだろうが

Posted by junko on 18.2011 ハンガリー Hungary   1 comments   0 trackback

チェコのプラハ、
オーストリアのウィーンときたら、
ほぼ全ての旅人はこのルートを辿る。


ハンガリー首都、ブダペスト


ウィーンからの列車が駅に到着し、
いつものように肩に食い込むバックパックを背負いながら、
調べてきた宿までの行き方を再度確認する。

いつも新しい街に着くと、
まず宿へと向かうわけだが、
主要駅や主要バスターミナルから歩いて行ける距離に宿はあるわけもなく、
そこから市内バスなり、ヨーロッパではかなり普及しているトラムを乗り継ぎ、
運転手さんに自分の降りる停留所を告げ、
そこに着いたら合図してくれと身振り手振りで伝え、
運転手さんもそんな旅人に慣れているのか、
ミラー越しに目線で合図を送ってきたりする。
そして停留所に降り立ち、通り名や番地を確認しながら
早くこの重い荷物から解放されたい一心で歩みを進める。

よくあったことといえば、
この市内バスやトラム、現地通貨しかも小銭しか使えないものが多く、
まだ新しい国に入ったばかりなので両替したてで紙幣しかない場合、
乗ったはいいがどうしよう、みたいな時、
こちらが

「うわー!小銭ないよどうしよー!」

みたいな焦った行動をしていると、

「もういいから、さっさと乗んな」

てな感じでタダ乗りさせてもらうことが多々あった。
降りる際に丁重に御礼を述べるが、
内心はかなり「ラッキー!」一点ばりである。




10月15日、まぁそんな風にしてなんとか目的の宿に辿り着く。
トルコで何度も出会ったゆめどり虫夫婦から、

「ブダペストに行くならもう是非!!」

と絶賛し勧められていた、かの有名な日本人宿




『アンダンテ』




旅人なら一度は聞いたことがあるだろう、この名前。
もちろんその存在を知りながら、
そこに泊まらないというのも一つの選択。
だけど私の選択は、
泊まることだった。


日本人宿の特徴として、
やはり日本人が経営しているだけあって、
日本人の旅人が多いこと、
したがって日頃言語の壁を感じモヤモヤしていたわだかまりが
この宿の中ではすーっと消えて、
とめどなく湧き出てくる母国語トークを炸裂できること。
日本が世界に誇る漫画が豊富に置いてあること。
行動を共にする旅友を見つけやすいこと。

あとはやはり。

日本人同士分かち合える旅の苦しみ、喜びを、
束の間共有できること。

これが大きいかな。



だけど、宿泊客の結束が固まれば固まる程、
新参者はその『和』に入りにくくなる。
実際こんな性格の私でさえ、
最初宿に着き、チェックインの手続きなどをしている時、
キッチンの円卓でわいわい何やら楽しんでいる日本人若者集団の、
その和があまりにも完成されていて、
「うわー、なんか入りづらいな、、」と感じてしまったほど。
そんな風に少し疎外感を持っていたのを感づかれたのか、
私に話しかけてきた人といえば、
筋肉バカの謎のオッチャンである。
このオッチャンに関してはまた後ほど述べようかと。



まぁそれでも部屋に荷物を置いて一息つき、
勇気を出して円卓へと向かってみる。
漫画を読みふけっている人、パソコンで何やら調べものしている人、
お菓子を食べている人、色々いるけど、
誰ひとり私に話しかけてくれる人はいない。

「きっつー、、、」

それでもめげずに自分の部屋には戻らず、
ソファに座ってパソコンを広げた。

すると宿のオーナーのヨシさんが話しかけて来てくれた。

「で、なに?財布すられたって、どこで?」

そう、この宿に着いてすぐ、
どうやら私の顔には疲労がたまっていたらしく、

「大丈夫?なんか疲れてるね」

と気遣ってくれたヨシさんに、

「あー、ここ来る前にウィーンで財布盗まれちゃったり、色々あって」

とぼやいていた。



旅のハプニング話は、旅人同士を近づける最強のアイテム。
ヨシさん、よくぞ聞いてくれました!とばかりに、

「そーなんです、それが実はH&Mでね、、」

なんて決して楽しい話ではないけどおもしろ可笑しく話す私。
心の中ではもちろん、

「だ、だれか!食いついてくれこのネタ!」

と願っている。
するとポツポツ、

「あー、実は僕も、、」とか、
「つーかなんで服買ってんすか」とか、

ツッコミまで示してくれる人が現れ始め。
そこからはもうたたみかけるようにトークトーク。

「私、ほんとバカ」的なオチで終わる頃には、

「コーヒー飲みます?」ときた。

よっしゃ。



無事その円卓の椅子を手に入れた私は、
今夜の夕食のことをたずねた。
ブダペストといえば、フォアグラをかなり安く食べれるという情報も仕入れていた。
そしてこのアンダンテでは、
連夜フォアグラ丼祭が繰り広げられるということも。

だがみんなの答えはこうだった。

「あー、フォアグラつい一昨日も食べたんすよね」
「ちょっと今日は、、いいかなー」

まぁそりゃあそうだよね。
毎晩なんか食べるもんじゃないしね。


ということで、今宵は何か別のもんを作ろう!ということになり。
今夜遅くの列車でブダペストを離れるという学生の旅人君と、
一緒に市場へ買い出しに出た。

「淳子さん、あの変なオッチャンに絡まれてましたね笑」

「え!?あの人そんなに変なの?」

「いやー、僕かなり苦手なんですよ、あの人。」

「そーなんだぁ。」

「あの人、何泊してるんだかもう謎なんですよ。
 ずっと宿にいるか、ジムに行くかしかしてないし、、」

「へぇ~」

世の中変わった人もいるもんだ、としか思っていなかった私は、
たいして大きく捉えていなかった。


結局その夜は豚肉を買い、
醤油と砂糖で味付けして焼いて、
白いご飯の上に千切りキャベツと一緒にのせて豚丼を作った。
炊飯器から香る炊きたての白飯の匂いといったらもう、、
久々の白米にたまらなく感動してしまった。
材料費を食べた人の人数分で割ると、
かなりの安価で美味しい豚丼が食べれた。
こういうところも、日本人宿の美味しいところかな♬


久し振りの甘辛醤油。
和食ってすんばらしい!と、みんな幸せに頬張っていた矢先。
私はオッチャンの洗礼を受けた。


「この肉、ロースですよね。ロースは、脂の量がすごいんですよ、、」


え?何?
おっしゃってる意味がよくわからないんですけど、、


「僕はムネ肉かササミしか食べません。
 昔すごい太ってたんで。
 食事制限して、ジム通って、30kgくらい落としました」


なになになに?
ダイエット自慢?
ていうかみんな美味しく食べてるこの瞬間に言わなくても良くない?

そう言って、謎のプロテインみたいなジュースしか飲んでいないオッチャンは、
何故か私の目を見て話し続ける。
すっかり動揺してしまった私は、
救いを求めるように先ほどの学生君の方を向くが、
笑いを噛みしめるように学生君は視線を下に落としている。
周りのみんなも、なんとも微妙な表情をしたままうつむいているではないか。


なんだこれ?
せっかくの食卓がぶち壊しじゃないか!


なんとしてもこの雰囲気を打破したかった私は、
なるべくオッチャンの琴線に触れないように返しの言葉を探した。

「へぇ~、すごい努力されたんですねぇ」

「だってデブって嫌じゃないですか」

「え?デ、、」

「デブ!気持ち悪いですよね」

あぁダメだ、、心が折れそうだ、、
あまりにも言葉の刃が鋭すぎる、、

「まぁでも、たまにはロースも美味しいですよ」

「そんなの食べてたら淳子さん、太っちゃいますよぉ」

あぁぁぁぁ!!!
もう無理!!!!!
何このオッチャン!!!!!

「いやー美味しいものにはかないませんよ」

と精一杯の微笑みで返したところ

「あ、でもまだ今んとこ大丈夫ですよ」




プチン。



切れたね。うん。
たしかに切れましたね。


もういい。何にも喋んない。
喋るもんかこの筋肉バカおやじなんかとは!!!
何が今んとこ大丈夫だ?
オマエの基準で見られてたまるかこの変態が!!!


学生君。
君の言ってた意味が今はよ~くわかるよ、、
このTHE・空気読めないキングは、
宿泊客の中で最年長なくせに、
ちっとも敬意を払えない輩だということが。


ふとその学生君を見ると、
怒りで震えてるではないか。
最後の夜の晩餐をぶちのめされた学生君。
そりゃ嫌だよね。でも、、
だめだめ!こういう人はね、気にしちゃだめなの!
無視するしかないの!


そんな風にして苦い時間を味わって夕食は終わり、
それぞれ思い思いに時間を過ごす。
学生君を見送る時間になって、
今日出会ったばかりの私も玄関先まで見送る。

「オレ、絶対あんな大人にはなりたくないです!」

大丈夫、きっと君はならない。


  

プロフィール

junko

Author:junko
北の大地でお魚食べて育った少女が、
世界へ旅に出ます。

写真が好き。
でも人はもっと好き。

まだ見ぬ出会いを、笑顔を、そして
感動を求めて。

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